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 12月20日、「第158回芥川賞・直木賞」の候補各5作品が発表された。人気バンド「SEKAI NO OWARI」のキーボード・Saoriが、本名の藤崎彩織名義で今年10月に発売した処女作『ふたご』(文芸春秋刊)が直木賞候補作にノミネートされており、話題を呼んでいる。

 「ふたご」はSaoriが音楽活動の合間を縫って5年をかけて執筆した小説で、主人公が音楽バンドを通じ自分の居場所を見つけていく青春物語である。

 初版は5万部であったが、その内容と人気ミュージシャンが書いた小説ということで話題を呼び、すぐに重版が決定。現在までの累計発行部数は10万部となっている。

 ところが、一部では今回のSaoriの直木賞ノミネートに首を傾げる人も多くいるようで、ネットでは早くも「ただの話題作りの受賞ではないか」「直木賞がどんどん安くなっている」との批判の声も強いという。

 現に2015年には、お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹が初の中編小説として発表した『火花』はその年の芥川賞受賞作となり、単行本の累計発行部数が239万部を突破したほか、ドラマ化、映画化などのメディア展開が大きな成功を収めている。

 そのため、今回のSaoriの直木賞ノミネートも『火花』の二番煎じ、二匹目のどじょうを狙った作品ではないかと見られているのだ。

 仮に選考基準のなかに、そのような意図がなかったとしても、2010年にポプラ社小説大賞を受賞した水嶋ヒロをはじめ、前述の又吉など有名芸能人の受賞が相次いでしまっている現在だけに、そのような疑問が噴出するのもある程度は仕方がないのかもしれない。

 選考会は来年1月16日に行われるが、今回のノミネート効果で、『ふたご』はさらに売上を伸ばすとみられ、受賞ならずとも今後、数々のメディアミックスが行われると思われる。