世界トップまで駆け上がったシャンシャン そのスイングを徹底解剖(撮影:米山聡明)

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今季活躍した注目選手のスイングから強さの要因を探る“Playback LPGATour2017”。第26回は、日本でもお馴染みのフォン・シャンシャン(中国)。2017年は連覇を達成した日米共催競技「TOTOジャパンクラシック」を含む3勝を挙げる活躍を見せて、中国人選手では史上初となる世界ランキング1位に昇り詰めた。ユ・ソヨン(韓国)と並び今季TOP10回数最多を誇った安定感を、上田桃子らを指導するプロコーチの辻村明志氏がスイングから探る。
【連続写真】世界1位の真髄はシンプルなスイングレーン
今年はツアー3勝を挙げ、現在、世界ランキング1位のシャンシャンさんです。彼女のいいところは、とにかくショットが曲がらないところですね。シンプルなボディターンでクラブを振っていますが、ドライバーショットにもかかわらず、どこにも力感がありません。まるで素振りをしているか、ショートアイアンでも打っているかのように静かなスイングです。その結果、ダウンスイング以降でクラブと体の回転が同調し、ボールを正確にとらえています。
バックスイングではそれほど上体を深く捻転していませんが、それを補うために、手首のコックを使っています。手首の使いすぎはよくないといわれますが、要は使い方です。シャンシャンさんは、剣道の“お面”のように、自分の中心に対して手首を使っているだけなので問題ありません。しっかりと手首にアングルをつくっているからこそ、トップがコンパクトになるわけですしね。ただ、スイングがコンパクトでも、シャンシャンさんはある程度の飛距離と高さが出ることが強みだといえます。
また、バックスイングでの捻転は少ないものの、手首の柔らかさをいかして、ダウンスイングの切り返しでは左腕とクラブでV字をしっかりつくっています。体の捻転が少なく、手首のコックをつくれるということは、両ヒジの間隔も崩れにくいので、フラットに振ることもありません。理想の角度でスイングプレーンを描けるからこそ、狙ったところへボールを打ち出せるのです。
ダウンスイング以降は、体全身が全く空を向かず、寸分のあおり打ちもない、きれいなレベルターンを行っています。よく打ち上げの練習場にいくと調子を崩しやすいといわれますが、その原因は体が上を向くと目線が上がってしまい、あおり打ちになるからです。シャンシャンさんの目線も体も低いところを見たままなので、あおり打ちやしゃくり打ちの要素は一切ありません。まさに超レベルボディターンです。
ダウンスイングからインパクトにかけて力感がないのは、首と肩を見れば分かります。アドレスでの首の長さとインパクトでの首の長さが変わりません。両肩も上がったりせずに、丸みを帯びた状態です。そのまま体をレベルに回しているだけなので、素振りのように感じるのでしょう。
解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、藤崎莉歩、小祝さくらなどを指導。上田の出場試合に帯同、様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。
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