昭和の香り漂う町角の洋食店、喫茶店の定番メニューの一つに、ケチャップ味のスパゲティがある。ベーコンやウインナーにタマネギなどの具材が入り、ケチャップがたっぷりからまったスパゲティの料理だ。

関東では「ナポリタン」と呼んでいるが、どうやら必ずしも全国共通の名称ではないらしい。「イタリアン」の名称で親しまれていた地域もあるというのだ。

というわけで、Jタウン研究所では、「昔懐かしいケチャップ味のスパゲティをなんと呼ぶ?」というアンケート調査を都道府県別で行った(総投票数2177票、2017年8月1日〜12月19日)。

「イタリアン」の得票率がトップだったのは?

下の円グラフをご覧いただこう。ナポリタンが1909票、87.7%、イタリアンは268票、12.3%という結果だった。ナポリタン派が圧倒的多数で、イタリアン派は約1割を占めているにすぎない。


「昔懐かしいケチャップ味のスパゲティをなんと呼ぶ?」調査結果(Jタウンネット調べ)

イタリアンの占める率を、各県ごとに0%、1〜10%、11〜20%、21〜30%、31%〜と5段階に分け、比較を試みてみた。その結果を色分けすると、上のような日本地図になった。

色分けされた地図を見ると、イタリアン派ゼロの白い地域は、ほとんど全国に広がっている。一方、イタリアン派の率が31%以上の濃いブルーの地域は愛知県、兵庫県、愛媛県に見られる。また21〜30%のライトブルーの地域は、三重県、滋賀県、京都府と、関西・東海の一部地域に集中している。

全国的にナポリタンが優勢だ。しかもイタリアンの得票率には、かなりの地域差があるように見える。


イタリアンスパゲッティ。愛知県名古屋市「喫茶ユキ」(Lombrosoさん撮影、Wikimedia Commonsより)

イタリアン率が比較的高かった地域を、詳しく見てみよう

愛知県は得票総数が50票で、ナポリタンは68%、イタリアンは32%だった。もちろんナポリタン派が多数を占めるが、イタリアン派の比率は全国でトップに立っている。日本でいちばんイタリアンを好むのは、愛知県民と言うことができる。

名古屋市の一部の喫茶店では、ナポリタンに似た独自の料理がイタリアンと呼ばれている。アツアツの鉄板の上にケチャップ味のスパゲティをのせ、薄焼き卵をのせたり、溶き卵をかけたイタリアンは人気の一品だ。

兵庫県は得票総数が45票で、ナポリタンは68.9%、イタリアンは31.1%だった。また京都府は得票総数が19票で、ナポリタンは73.7%、イタリアンは26.3%だった。関西では戦前から、「イタリアン」の名称で親しまれていたという説もある。全国的に見ると、関西はイタリアンに親しみを感じる人が多い地域だ、と言えるかもしれない。


ナポリタンの一例(yamauchiさん撮影、Wikimedia Commonsより)

愛知、三重、岐阜などを含む東海地区、兵庫、滋賀、京都、大阪などの関西地区、このエリアでしか通じにくいのが「イタリアン」、と言いたいところだが、実際には、中国、四国、関東や新潟県などでもイタリアン派の存在はわずかながら確認できた。

ときどき無性に食べたくなる、あの昔懐かしい定番の味。ま〜、美味しければどちらでもいいか......。