カナダ・オンタリオ州ダラム市に住むGlen Oliverさん(下の写真右)は、ドーナツチェーン店のティムホートンズによく車ででかけ、ドライブスルーを利用する。

その際、後ろに並んだ見知らぬ客にコーヒーのプレゼントをするのが習慣になっていたという。

この小さな親切が、人の命を救うという出来事があった。

メッセージとともにコーヒーを

Glenさんはティムホートンズのドライブスルーで、後ろの客にコーヒーやドーナツなどのちょっとしたプレゼントをするのが習慣になっていたという。

その時は、店員を通して後ろの客に「Have a great day(良い1日をお過ごしください」というメッセージを伝えていた。

これはGlenさんにとって特別なことではなく、多ければ週に2回程度、「習慣のようにやっていること」だそう。

新聞を見て驚いた

今年の11月、Glenさんは体調が悪く、仕事を休んで家にいた。すると、その時新聞を読んでいた奥さんのLindaさんが、すすり泣きを始めたという。

奥さんはGlenさんに1つの記事を指し、読むように言った。そこにはこんなことが書かれていた。

匿名の手紙

その新聞社の編集者宛に、1通の匿名の手紙が届いた。書かれていた内容は、3カ月前に差出人の身の上に起こった出来事だった。

差出人とそのパートナーは不運が重なり、人生のどん底にいて、一緒に自殺することを考えていた。具体的にその日を7月18日に決めていたという。

ところがその日の朝、ティムホートンズのドライブスルーに入ると、店員からコーヒーとマフィンを渡され、「前の親切な方がすでに代金を払っています。良い1日をお過ごしください、と言っていました」と告げられた。

匿名の差出人はさらにこう書いていた。

『私は、見ず知らずの人が何の理由もなしにコーヒーをくれたことを不思議に思いました。なぜ私に? なぜ今日という日に? これは神様からのメッセージかも知れないと思いました。ある人の分け隔てない親切が、この日自殺しようとしていた私に向けられた。そこには神様の何かの目的が感じられました』

自殺を思いとどまる

それから自宅に帰った差出人とそのパートナーは、一緒に泣いたそうだ。

『私はその時、やろうとしていたことを取りやめました。そして、何か人のためになることをやろうと決め、その日、近所の人が車から荷物を降ろすのを手伝い、家の中に運んであげました』

手紙の最後にはこう書かれていたという。

『私たちの前のSUVに乗っていた親切な人へ、心の底からお礼を言います。あなたの親切が、私たちの命を救ってくれました。2017年7月18日はただの良い1日だっただけでなく、私たちの人生で最良の日でした』

新聞記事を読んだGlenさんは、自分の何気ない親切が他の人の人生を大きく変えたことに驚いた。後に彼は、海外メディアの取材を受けてこう語っている。

「ただのコーヒーとマフィンだと思っていたけど、とても大きなことだったんですね。どんな小さな親切も、相手にどれほど大きな影響があるか分からないものですね」