20日、韓国の人気アイドルグループ「SHINee」のメンバー・ジョンヒョンさんの突然の訃報が衝撃を広げる中、韓国特有のアイドル養成システムの問題点を指摘する声が上がっている。資料写真。

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2017年12月20日、韓国の人気アイドルグループ「SHINee」のメンバー・ジョンヒョンさんの突然の訃報が衝撃を広げる中、韓国特有のアイドル養成システムの問題点を指摘する声が上がっている。

ジョンヒョンさんは18日午後、ソウル市内のアパートで倒れているところを発見され、搬送先の病院で死亡が確認された。死因は自殺とみられている。ジョンヒョンさんが残した遺書には「僕は内側から壊れた」「お疲れさま、大変だったねと言ってほしい」などと記されていた。ジョンヒョンさんは生前、うつ病に苦しんでいたことが分かっている。

韓国・朝鮮日報によると、韓国では11年にもうつ病を患っていた歌手のチェ・ドンハさんが自殺する事件があった。また、今年6月に大麻吸引で有罪判決を受けたアイドルグループ「BIGBANG」のT.O.Pさんも日ごろからパニック障害やうつ病の治療を受けていたとされる。

韓国の大手芸能事務所に所属していたというある練習生は、アイドル歌手や練習生の生活について「窓のない牢屋で暮らしているようなもの」と述べた。特に、練習生はデビューのため、1日17時間に及ぶダンスや演技、語学のレッスンを数年間続けるという。韓国のほとんどの芸能事務所が同様のスケジュールを練習生に課しており、ジョンヒョンさんも例外ではなかったという。また、練習生は恋愛やSNSなど私生活も厳しく制限される。10代のころから芸能事務所に監視され、普通の学校生活を送れない上、成功への不安と戦い続ける練習生は精神的に不安定な状態に陥りやすいという。

米国のジャーナリストであるユニ・ホンさんは韓国の芸能事務所を「スターを作る機械」などと表現した。米国で芸能事務所は「仲介役」に過ぎず、アイドルの活動や私生活に関与することはないという。また、日本でもアイドルの練習生が小学生の時からレッスンを受けるケースがあるが、「学業優先」との考えからレッスンは通常、授業終了後に行われている。

この報道に、韓国のネットユーザーからは「これではアイドルという名の奴隷だ」「芸能人は華やかに見えるが、心には多くの病を抱えているよう」と驚く声や、「金に目がない韓国の芸能事務所はアイドルを『金を稼ぐ機械』と考えている」「金が命という大人たちの考えをまずは変えなければならない」など芸能事務所に対する批判の声が多く寄せられている。

一方で「俳優は演技、歌手は歌の練習に専念するべきなのに。結局、本人たちも金と人気のために生きている」との指摘や、「容姿に恵まれず、練習生にすらなれない人もいる。幸せな悩みだと思う」「芸能事務所のせいではない。その生活を選択したのは本人とその親でしょ?」などの主張もみられた。(翻訳・編集/堂本)