日馬富士の起こした暴行傷害事件について日本相撲協会が20日(2017年12月)、臨時理事会を開き処分と再発防止策を発表した。

日馬富士に「引退勧告」を改めて出したのは暴力再発防止の意味で当然としても、協会は、相撲界に残る「かわいがり」の延長として今回の暴行傷害事件を処分し、再発防止で幕引きを図ろうとしているふうに見える。

司会の加藤浩次も「理事会のやり方を見ていると早く終わりにしたいように見える。他にどういう事象があるのか、僕は徹底的にやった方がいいと思う」と強調した。

モンゴル力士の階級制

日本の相撲界とは別途にモンゴル出身力士界のヒエラルキー(階級制)が存在し、貴ノ岩はその頂点に立つ白鵬の意に添わなかったのが今回の事件の背景にある。

臨時理事会に先立って行われた臨時の横綱審議委員会後に会見した北村正仁委員長(毎日新聞名誉顧問)は、白鵬と鶴竜について「あれだけの回数殴られ大けがをさせられる。暴力撲滅ということに敏感であったらああいうことは止められるはずだ」と指摘する。

言葉を代えれば、日馬富士にある程度やらせ黙っていたとみるのが自然だろう。本来なら白鵬は貴乃花親方に謝罪しなければ済まないところだが、それもない。貴ノ岩の師匠である貴乃花親方が激怒するのを承知で殴らせていたとも思える。

さらに北村委員長は、白鵬については取り組みにまで及び「九州場所後、白鵬の取組に対する投書が多く寄せられた。張り手、かち上げが多く横綱相撲とは言えない。見たくない、美しくないなど批判が多かった。白鵬自身の自覚をどう促すか協会としても努力、工夫してほしい」と提言した。

結局、横審の提言を受け臨時理事会が出した結論は、白鵬が1月分の給与全額と2月分の給与半額。鶴竜は1月分全額支給しない懲戒処分だった。

白鵬は、これだけ批判されて1月14日からの初場所で横綱として相撲が取れるのか。横審から自覚を促されたのは引退を促されたようにとれるのだが...。