放送は大分前に終了したドラマであるが、深夜枠だったために中々取り上げるチャンスがなかった。だが、今期の連ドラの中の主たるテーマ、過干渉の親や自己中で放任の親など、現実に多発しているダメ親の所為でさすらう子供たちの悲惨を、終始一貫鋭く描いた本作は、是非今年の終わりに近く取り上げておきたい。古本屋の主の九十九さくら(真矢ミキ)は、事件に巻き込まれて居場所をなくした不良たちや、捨てられてまともに学校も行けなかった子や、コミュニケーションが取れない落ちこぼれの元社員や、少年院上がりや、社会の底辺で喘ぐ青年たちに、何も言わずに一杯の親子丼を振る舞う優しい女性である。自身もかつて大事な息子を殺された過酷な過去がある。そこにさくらと事件つながりのある少女・二宮あざみ(吉本実憂)が住みついて次々に事件が起きる。今期の優れたドラマ、「明日の約束」でも描かれた、わが子を思い通りに縛り付ける過干渉母と同じく、当作でも母親の強権で過食と嘔吐を繰り返す女性教師の苦しみも描かれた。さくらの娘・恭子(本仮屋ユイカ)は雑誌記者をやっていて、無料で丼を振る舞うさくらを批判していたが、次第に母親の生き方を認めるようになる。垢抜けた美人の真矢ミキが、古本屋の主?と、初めは違和感があったが、親子丼を振る舞う無償の愛の持ち主として次第に共感できるようになった。東海テレビが社会派劇にも力を発揮した1作。(放送2017年11月25日23時40分〜)

(黄蘭)