日本相撲協会は昨日20日(2017年12月)、臨時の理事会を開き、元横綱日馬富士の暴行事件についての危機管理委員会の報告を聞き、関係者への一連の処分を決めた。注目の貴乃花理事への処分は、先送りとなったが、理事会に先立って開かれた横綱審議委員会では、事件での貴乃花親方の態度を、厳しく非難していた。

危機管理委の報告書には、事件の被害者である貴ノ岩の聴取結果も含まれていた。19日に貴乃花親方から、聴取に応じると連絡があり、同日夜、高野利雄委員長が入院中の貴ノ岩から約2時間にわたって話を聞いた。

高野氏によると、貴乃花側から申し入れがあった。検事から「支障はない」と言われたのだという。貴乃花側は、20日午前9時といってきたが、それでは報告者が書けないからと、19日にしたという。

結果は概ね、これまでに揃っている関係者の話と相違はなく、ただ、暴行を受けた際の経緯で、日馬富士と貴ノ岩の言い分に食い違いがあった。報告書は、午前の横審、午後の理事会で、高野委員長が説明をして、理事会はこれを了承した。

一方貴乃花親方は19日、協会に報告書を提出していた。この日の理事会で配布され、危機管理委の報告書の下に置かれていたが、理事の一人が「これの説明は?」と指摘。全員で読んだという。

八角理事長が貴乃花理事に説明を求めたが、貴乃花は「見ていただければわかる」と答えた。内容は、貴ノ岩の供述に基づくものだったというが、この報告書自体は、持ち出し禁止の印が押されていて公表されなかった。

協会が出した処分は、すでに引退している日馬富士に、「引退勧告に相当」との判断。これは、今後は上位の者の暴力も引退勧告が処分の基準になるという強い意味を持つ。日馬富士は、退職金はそのままだが、慰労金は減額されるという。

現場にいた横綱白鵬、鶴竜も「大相撲の信用失墜につながった」として減給。白鵬は1月はゼロ。2月は半減。鶴竜は1月ゼロ。止めなかった責任だ。

貴ノ岩の3月場所の番付を配慮

被害者で入院中の貴ノ岩については、本来なら初場所を休場すると幕下に落ちるが、「初場所を休場しても、3月場所の番付を配慮する」とした。無給の幕下への転落は、避けられるようだ。

また日馬富士の師匠である伊勢ヶ濱親方は、理事を辞任。1階級下の役員待遇委員になる。理事会に出席できるが、議決権はなくなる。また八角理事長自身も、ことの決着がつかない責任を取り、残り任期の3か月、給与返上とした。

そして問題の貴乃花理事については、次回の理事会(28日)までに危機管理委が本人の弁明を聞いて、その結果から処分の判断をすることにした。

一方、横審では北村正任委員長が、貴乃花に言及。「貴乃花親方のこの間の言動は非難に値する。これは横審全員の意見でありました」と述べ、さらに「一人の親方であり執行部の理事である。が、親方が執行部のメンバーとしての責任を放棄している。普通の組織体ではありえないこと」と切り捨てた。

また横綱白鵬についても厳しかった。「相当な量の投書がある。その大部分は、白鵬の取り口についての批判。『張り手』『かち上げ』が15日間のうち10日以上ある。横綱相撲とは言えない。美しくない、見たくないという意見です。白鵬自身の自覚をどう促すか。協会も工夫努力してほしいという意見がありました」

相撲ジャーナリストの杉山邦博さんは、貴乃花には厳しい。「この時期になって、貴ノ岩の聴取に応じるとか、全く理解できない。口を開くべきだ」

もう一人の大見信昭さんは、「理事降格は間違い無いでしょう」

玉川徹(テレビ朝日解説委員)は「危機管理委の報告者(概要)は読んだが、貴乃花側の報告書も読みたいですね」

それがなぜ非公開なのか。貴乃花親方の考えていることは依然わからない。