第44回世界体操競技選手権、女子種目別段違い平行棒の演技に臨む米国のマッケイラ・マロニー(2013年10月2日撮影、資料写真)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】米国代表体操チームの元医師による性的暴行をめぐり、2012年ロンドン五輪金メダリストのマッケイラ・マロニー(McKayla Maroney)さんに同国体操連盟(USA Gymnastics)から口止め料が支払われていたことが発覚した。

 マロニーさんが20日、同連盟と同国オリンピック委員会(US Olympic Committee、USOC)を相手取り、カリフォルニア州ロサンゼルス郡上位裁判所(Los Angeles County Superior Court、第1審裁判所)に提訴したことで明らかになった。

 スポーツ専門チャンネルESPNなどの米メディアによると、世界体操競技選手権(World Artistic Gymnastics Championships)の跳馬で2度の金メダルに輝いた実績を持つマロニーさんは昨年12月、米体操連盟の元医師であるラリー・ナサール(Larry Nassar)被告の事件をめぐり、同連盟と示談に応じた。米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)などによれば、口止め料は125万ドル(約1億4000万円)だったとされている。

 しかし、口止めの事実に加え、今年10月にナサール被告からの性的暴行被害を告白したマロニーさんには、10万ドル(約1100万円)の違約金を請求されたり、反訴されたりする可能性があるが、弁護士を務めるジョン・マンリー(John Manley)氏は、示談契約自体がカリフォルニア州では違法だと主張しており、「彼らは本件全体につき組織的な隠ぺいを図った」とESPNに話している。

 マンリー氏は、マロニーさんは口止めが行われた当時、ナサール被告に関する報道で精神的に傷ついていたとしており、「この子に選択の余地がなかったということを人々に理解してほしい。彼女はもはや機能していなかった」とコメント。さらに同氏は、連盟側は「自分たちが小児愛者の医師を守っていることを世間に知られたくないという理由で、世界最高峰の選手の健康と幸福を進んで犠牲にした」と続けた。

 またマロニーさん本人は、当時の自身は精神状態が日々悪化していたため、治療費に充てる資金を必要としていたところ、連盟側に示談を強制されたと主張している。

 五輪4大会で米体操チームに帯同したナサール被告は先月、ミシガン州で計10件の性的暴行で罪を認めており、このうち7件に対する量刑判決が、来年1月16日に言い渡される予定となっている。
【翻訳編集】AFPBB News