Facebookが、長い動画とシリーズ番組をプラットフォーム上でさらに優先させる変更を進めている。

Facebookは米国時間12月14日付のブログ投稿において、ニュース動画セクション「Watch」向けに番組を制作しているパブリッシャーや動画制作者を優先するように、ニュースフィードのランキングの変更を進めていくことを明らかにした。Facebookによると、ユーザーが毎週、探したり戻ったりして視聴している同一のパブリッシャーや制作者の動画が多く表示されるようにアルゴリズムを更新するという。同様にWatchセクションにある「Discover(ディスカバー)」タブにおいても、視聴者が定期的に戻って新しいエピソードを視聴する番組が優先されるようになる。

「リテンションを高めるコンテンツを作っているパブリッシャーがうまくいくようになる」と語ったのは、Facebookのプロダクト担当VPのフィジー・シモ氏。一方で、視聴とエンゲージメントを多く稼ぐ単発動画についても、引き続きニュースフィードで活躍していくと、同氏は認めた。

パブリッシャーの不満



パブリッシャーからすると、ニュースフィードを圧倒するようになった短い無音の動画形式はもうFacebookの優先事項ではないという合図が、また新たに出されたことになる。Watchやミッドロール広告ブレイクは、Facebook向けの番組を動画制作者が長くするように設計された商品であり、Facebookの滞在時間やコンテンツの視聴頻度を増やすことを目指している。現在、ニュースフィードの動画は、通常は30秒から1、2分というものがほとんどだが、Facebookは今回、よりWatchに適した動画が欲しいのだとパブリッシャーに暗に伝えており、そのWatchでは、番組の各エピソードは4〜5分かそれ以上というのが普通だ。

さらにそのWatchについても、Facebookはエピソードの時間を長くするようにオリジナルコンテンツのパートナーに働きかけており、多くのケースで、そのために予算を拡大していると、複数の情報筋が以前に語っていた。

「Facebook向けに制作する動画と番組を長くするために投資をしたことで、視聴時間とリテンションが増加している」と、ATTNの共同創設者であるジャネット・モレノ氏は語る。「今回の変更は、クオリティの高いオリジナル番組に投資をする上位のパブリッシャーをさらに利することになる」。

ほかに複数のパブリッシャーが、Facebookが予定している変更について密かに不満を漏らす。「(配給型のパブリッシャーは)絞り取られることになる」と語るのは、あるデジタルパブリッシャーの動画トップ幹部。この変更によって「ブランドの組み込みや製品プレイスメントのさらなる実施や、ニュースフィード動画からのその他の収益源の推進が必要になる」と、この幹部は語った。

広告挿入位置の変更



今回の動画の長編化が推進されることで、1月にはFacebookのミッドロール広告ブレイクのプログラムも変化する。これまでは、90秒ある動画ならば20秒経てば広告ブレイクを挿入することができたが、Facebookは、広告の許可を3分以上の動画に限り、また、動画の最初1分は広告を表示できなくする。

Facebookによると、このようにするのは広告ブレイクの位置を動画の最初20秒よりも遅らせることで、視聴者の満足度が18%増加することが内部の消費者調査でわかったからだ。

こうしたユーザー体験の問題は横に置くとしても、広告を出せる動画の最小時間をFacebookが引き上げれば、動画や番組を長くせざるを得ないとパブリッシャーは感じるようになる。

「我々は何百ものパブリッシャーと(広告ブレイクの)テストを進めている」と、シモ氏は語る。「テストは引き続き拡大していく計画で、その際には番組に注力することになる」。

これによりFacebookの広告収益の不確定性もさらに続くことになる、と語るのは先述のデジタルパブリッシャー幹部。「広告ブレイクの位置をさらに遅らせると、きちんとヒットしない限り動画あたりの収益が減少するだろう。課題は同じで、収益の保証がなければ予測もできない点だ」。

プレロールのテスト



Facebookはまた、プレロールのテストをはじめてスタートさせることを認めた。ただ、このテストはWatchセクションに限定され、6秒広告が中心になる。同じ動画内でプレロールとミッドロールを実施するテストは、シモ氏によると一切予定されていない。

Facebookはこの2017年にミッドロール広告ブレイクのテストを開始した。販売はもっぱらプログラマティックによって行っているが、パブリッシャーに大きな収益をもたらすには至っていないことをFacebookは認めている。

「パブリッシャーがFacebookで十分にマネタイズできるためにやるべきことがたくさんあることは把握している」とシモ氏。「みなさんが現在、目にしているのはどれも、(パブリッシャーにとって)好ましい変化を良好なユーザー体験を維持しながらFacebookにもたらすための試みだ」と同氏は語った。

Sahil Patel (原文 / 訳:ガリレオ)