水島工場のCO2回収装置。(画像:三菱重工業発表資料より)

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 三菱重工業は、日本液炭の液化炭酸ガス製造設備に付随する、283トン/日の回収能力を持った二酸化炭素回収装置を完工したと発表した。

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 日本液炭は主に液化炭酸ガスやドライアイスなどを製造販売している企業であり、今回の装置は、岡山県倉敷市にあるその水島工場の内部に造られた。事業の性質上、多量の余剰二酸化炭素が発生するため、それを回収して液化炭酸ガスを製造するわけである。

 地球環境において二酸化炭素が余剰である、という問題が叫ばれるようになって久しい。その全容をここで述べる余裕はないが、一つ、考えたことはないだろうか。二酸化炭素が多いのが問題であるなら、大気中から直接二酸化炭素を回収し、それを何らかの形で処理すればよいのではないかと。

 実際をいえば、こうしたアプローチは存在することはする。ただ、地球全体の二酸化炭素を直接どうにかする、というような性質のものはほぼない。基本的には、工場、発電所などの、集中して大量の二酸化炭素を発生させる場所に重点的にシステムを組み込むか、あるいは自動車や航空機など、規模は小さいがやはり集中的にCO2を発生させるものをターゲットにする。

 今回の事業に携わっているのは、三菱ケミカルホールディングスグループに属する、太陽日酸グループである。供用されているCO2回収技術は、関西電力と共同で開発したもので、KS-1という高性能な吸収液を用いる、「KM CDR Process」と呼ばれる化学吸収法である。特徴としては、既存のCO2回収法と比べて、エネルギーコストが格段に低いという。

 1999年以来、天然ガス焚きプラントや石炭焚きプラントで商用のCO2回収装置が既に世界で12基稼働しており、同分野の実績では世界を圧倒するトップシェアとなっている。