18年2月末に閉店する西武船橋店(千葉県船橋市)

写真拡大

 2017年は百貨店が揺れた年だった。最大手の三越伊勢丹ホールディングス(HD)で突然の社長交代劇が起こり、地方や郊外での店舗閉鎖も続いた。

 三越伊勢丹HDの大西洋前社長は3月、急きょ辞任した。大西氏は日本百貨店協会会長も務め、SPA(製造直販型小売業)強化など“百貨店改革”のリーダーだった。17年3月期の連結営業利益が前年同期比27・7%減となるなど、業績不振の責任を取った。

 後任の杉江俊彦社長はファンドへの食品スーパーマーケット事業の株式譲渡など、スリム化に取り組んでいる。旗艦店の伊勢丹新宿本店(東京都新宿区)についても「お客さまの関心とフロア構成がずれている」と、立て直しを図る。

 「ネットがリアルを駆逐する時代に、実店舗の意義に一つの解を示すことができる」。山本良一J・フロントリテイリング社長は4月、森ビルなどと東京・銀座に開いたショッピングモール「ギンザシックス」について、自信を見せた。ギンザシックスは松坂屋銀座店跡に立地し、高級ブランドの旗艦店を集めた。「過去の延長線上ではない非連続な成長を目指す」(山本社長)として、“脱百貨店”を図る象徴となる。

 訪日客らの来店が見込みにくい地方店の業績悪化は特に深刻だ。三越伊勢丹HDやそごう・西武は相次いで店舗閉鎖に踏み切っている。18日には、400年以上の歴史を持つ丸栄(名古屋市中区)が18年6月末で百貨店店舗の営業を終えると発表した。セブン&アイ・ホールディングスが10月、エイチ・ツー・オーリテイリングに、そごう神戸店(神戸市中央区)などを譲渡し、再編の兆しも見られる。

 百貨店の市場規模は25年前の約6割に縮小している。8月以降の業績は改善傾向だが、気温低下による秋冬物の売り上げ好調や円安による免税売上高増が寄与した面が大きい。こうした追い風を、本格的な回復に結びつけることができるかが問われている。