台日海洋協力対話 海難救助協力に関する覚書を締結

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(台北 20日 中央社)台湾と日本が海洋協力について話し合う「台日海洋協力対話」の第2回会合は20日、閉幕した。台湾日本関係協会の邱義仁会長と日本台湾交流協会の大橋光夫会長は海難捜索救助分野の協力強化に関する覚書を締結した。邱会長は、海難捜索救助分野で台湾の海岸巡防署と日本の海上保安庁の協力強化に関する覚書を締結したことに喜びを示し、「最も大きな成果は台湾と日本が信頼と友好の基礎の上で、柔軟性を持って問題を解決していくこと」だと言及。「来年日本で行われる第3回会合にさらなる大きな成果が出るように期待する」と話した。

邱会長は海上犯罪の取り締まりなどの諸問題でも協力していく姿勢を表明。海洋科学研究でも進展があったという。漁業分野における問題には意見の違いが存在する部分もあるとした上で、「対話を通し、一つ一つ問題を解決して、双方が受け入れられる結果が出るよう努力していく」と前向きな姿勢を示した。

大橋会長は、覚書の締結は「日台双方の思い合いの心、助け合いの精神を体現している。海で結ばれた日台の絆をさらに将来も深めていくという極めて重要な意義を有している」と話した。

▽沖ノ鳥問題は対話継続で合意

会議後の記者会見に出席した台湾日本関係協会の張淑玲秘書長によれば、今回の会合では、漁業協力や漁業資源の保護、海難救助、海洋の科学研究での協力などに関して意見交換が行われた。漁業協力や漁業資源の保護に関して、台日双方はウナギの資源管理、小型マグロはえなわ漁業の漁船管理、北太平洋漁業資源保存条約(NPFC)のサンマの漁業管理、台日漁業取り決めの適用水域での操業ルールなどについて、引き続き協力することで合意したという。

沖ノ鳥(日本名:沖ノ鳥島)周辺の漁業問題については、意見が分かれているものの、漁船の操業の安全性と漁業資源の保護の原則に基づき、対話を続けていくことで合意したと明らかにした。沖ノ鳥をめぐっては、日本側は日本国の領土であり、沖ノ鳥周辺の排他的経済水域(EEZ)を持っていると主張する一方、台湾側は沖ノ鳥は岩礁に過ぎず、200カイリの排他的経済水域設定の基準にはできないと主張している。

張秘書長は、沖ノ鳥周辺における漁船の作業問題は、台日間の海洋に関する争議の一つであり、長期にわたり、同水域で衝突が発生してきたと説明。台日双方にはそれぞれの立場があるため、一度や二度の対話で満足できる成果が得られる訳はないとし、対話を通じて双方の認識格差を縮める努力をし、お互いに受け入れる協力案を求めることが大事で、今回は大きな前進だと語った。

また、沖ノ鳥をめぐり、「政府は明確な態度と立場を採っている」と強調。沖ノ鳥の法的地位に関して、台湾が日本と異なる立場を示していることに触れ、国連の大陸棚限界委員会(CLCS)により明確な決定が出されていない限り、台湾の漁船には沖ノ鳥周辺水域で操業する権利があるとする政府の主張を改めて伝えた。さらに、漁民の権益を保護するため、継続して日本と交渉していると明かした。日本側は台湾側の主張を十分に理解しているという。

沖ノ鳥周辺水域における台湾漁船の操業範囲について、漁業署の黄鴻燕副署長は、台日双方で合意には至っていないものの、お互いに相手の考え方は理解していると説明。双方の水産・漁業関連部署が努力を続けているとした。また、来年の漁期が迫っているのに触れ、「漁期が来るまでに、何らかの進展を期待したい」と述べた。台日が合意に達していない現状では、沖ノ鳥周辺水域での操業は「リスクが非常に高い」と台湾の漁民にはこれまで注意を促してきたという。

覚書に基づく台日双方の協力の範囲に関して、海岸巡防署の胡意剛副署長は、日本の水域で台湾の漁船が海難事故に遭った場合、日本の海上保安庁は覚書で決められた窓口を通じて海岸巡防署から連絡を受けた後、海難救助協力を行うと説明。台湾側も同様に救助に協力するとしている。

(楊明珠)