会見を行う危機管理委員会委員長の高野利雄氏(右)の横で厳しい表情を見せる八角理事長=両国国技館

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 日本相撲協会が20日、東京・両国国技館で臨時理事会を開き、元横綱日馬富士による貴ノ岩への暴行問題を受けた処分などを決めた。問題調査を担当した危機管理委員会による報告書には、再発防止策として「暴力追放の日制定」といった従来には見られない案も含まれた。2007年に発生した時津風部屋での力士死亡事件にも言及されており、同委員会の高野利雄委員長は「事件というものはいつか風化されていきます。過去の事件も風化されていったのではないか」と指摘した。

 「暴力追放の日」や「暴力問題を忘れない日」というのは、あくまで協会内で定めるもので、もちろん記念日を申請するようなたぐいのものではない。提言した高野委員長は「人間というものは、のど元過ぎれば熱さ忘れる。いやなことは忘れ去る。事件というものはいつか風化されていきます。過去の事件も風化されていったのではないかと思います」と今回の暴行が発生した背景を指摘した。

 その上で、「今回の事件を風化させず、相撲界から暴力をなくすためには、たとえば協会内で暴力を忘れない日を定めていただいて、この日には改めて今回のこういう事件を思い出し、二度とこういう問題を起こさないことをそれぞれが確認していただければ」と「暴力追放の日」を定める意義を説明した。名称については、よりよいものがあれば別に決めてもらいたいとした。

 このほかに、理事長による暴力追放宣言、協会による力士・親方への直接的な暴力根絶の指導、行動規範を定めて力士ら協会員に配布すること、アンケートでの実態調査が挙げられた。組織運営の面でも事案が発生した際の報告義務や、報告義務違反・監督義務違反が処分にあたると明記すること、内部通報制度の改善が挙げられた。

 また、21日には力士ら全協会員に対する暴力根絶のための研修会が行われる。再発防止検討委員会も立ち上げられることが発表された。