「大豆イソフラボン」は更年期障害の救世主(depositphotos.com)

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 師走ともなれば熱々のお鍋の季節だ。お鍋といえば欠かせないのが「豆腐」。良質のタンパク質、炭水化物、脂質、食物繊維、ミネラル、ビタミンのほか、サポニン、レシチン、大豆イソフラボンなどの微量成分がふんだんに含まれている。なかでも人気なのは「大豆イソフラボン」だろう。

 大豆イソフラボンは腸内で「エクオール」という成分に変わると、女性ホルモン(エストロゲン)のように働く。だが「日本人女性の3人に2人」は、その恩恵に与かれないので、まったく効果がないという。それはなぜか?

 大豆イソフラボンは、大豆の胚芽、味噌、納豆などの大豆発酵食品に多く含まれるフラボノイド(ポリフェノール)の仲間だ。ゲニステイン、ダイゼイン、グリシテインの3種類の非配糖体(イソフラボンアグリコン)と、それぞれに3種類の配糖体(ゲニスチン、ダイジン、グリシチン)で構成されている。

 大豆イソフラボン配糖体は、腸内細菌の作用によってエストロゲン受容体に結合するとエクオールに変わり、腸内に吸収される。つまり、大豆イソフラボンは、その化学構造が女性ホルモン(エストロゲン)に似ているため、エストロゲン受容体に結合し吸収されやすい。

 この生理作用によって、骨粗鬆症の予防、更年期障害(ホットフラッシュ、発汗、肩こりなど)の軽減のほか、メタボの解消、動脈硬化のリスク軽減に効果が高く、PMS(月経前症候群)にも役立つとされている。

大豆イソフラボンをエクオールに変える腸内細菌を持つ日本人女性は約30%

 しかし、大豆イソフラボンをエクオールに変える腸内細菌を持つ日本人は約50%、女性なら約30%にすぎない。その理由は、厚労省の「国民健康・栄養調査/年齢別の豆類平均摂取量の比較」によれば、食生活の変化が原因と推定されている。

 ちなみに「エクオールを産出できるか否か」を知る方法がある。「ソイチェック(エクオール検査)」と呼ばれる方法だ。大豆イソフラボンやエクオールは、そのまま腸内に吸収され、吸収された大豆イソフラボンやエクオールは、尿となって排泄される。ということは、検尿をすれば尿中のエクオールの有無が判明するのだ。

 したがって、更年期障害などを軽減するためには、大豆イソフラボンを含む大豆発酵食品をはじめ、根菜、海草、キノコなどの食物繊維、乳酸菌などの発酵食品を毎日の食事に取り入れ、腸内環境を整えよう。また、エクオールのサプリメントを活用するときは、医師や管理栄養士のアドバイスをぜひ受けたい。

更年期障害をチェクしよう!

 さて、心配な更年期障害の症状を自己チェックしてみよう。以下の設問は2017年11月13日放送のNHK『あさイチ』で紹介され話題になったものだ。各項目の設問に「強」「中」「弱」「なし」で回答し、その点数を合計する。

●顔がほてる
 強(10点)/中(6点)/弱(3点)/なし(0点)
●汗をかきやすい
 強(10点)/中(6点)/弱(3点)/なし(0点)
●腰や手足が冷えやすい
 強(14点)/中(9点)/弱(5点)/なし(0点)
●息切れ、動悸がする
 強(12点)/中(8点)/弱(4点)/なし(0点)
●寝つきが悪い、または眠りが浅い
 強(14点)/中(9点)/弱(5点)/なし(0点)
●怒りやすく、すぐイライラする
 強(12点)/中(8点)/弱(4点)/なし(0点)
●くよくよしたり、憂うつになることがある
 強(7点)/中(5点)/弱(3点)/なし(0点)
●頭痛、めまい、吐き気がよくある
 強(7点)/中(5点)/弱(3点)/なし(0点)
●疲れやすい:
 強(7点)/中(4点)/弱(2点)/なし(0点)
●肩こり、頭痛、手足の痛みがある
 強(7点)/中(5点)/弱(3点)/なし(0点)

 合計点数の評価は、以下の通りだ。

▶︎ 0〜25点:上手に更年期を過ごしているので、現在の生活態度を続けよう。
▶︎26〜50点:食事や運動などに注意を払い、生活様式などにも無理をしないようにしよう。
▶︎51〜65点:医師の診察を受け、生活指導、カウンセリング、薬物療法を受けよう。
▶︎66〜80点:長期間(半年以上)の計画的な治療が必要になるだろう。
▶︎81〜100点:各科の精密検査を受け、更年期障害のみである場合は、専門医での長期的な対応が必要だろう。

 ただし、この評価は、あくまでも目安なので、ひとつでも気になる症状があれば婦人科を受診してほしい。ちなみに、更年期障害の治療法には、ホルモン補充療法( HRT)、漢方薬による治療法、ホルモン補充療法と漢方薬を併用する治療法がある。

 大豆イソフラボンと腸内細菌のコラボが育むエクオールの神秘――。悩ましい更年期障害から女性たちを解放する終生の救世主になれるだろうか?
(文=編集部)

*参考:NHK『あさイチ』2017年11月13日/内閣府食品安全委員会「大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A」/厚生労働省ホームページ