鶴吉羊羹(橙)

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年の瀬に向かい、お正月のお菓子を考える季節になると、やはり縁起のよい和菓子を用意したくなります。そんな時にぴったりなのが、鏡餅の上にのせる「橙(だいだい)」を使ったこちらの羊羹。熱海市にある和菓子店「常盤木羊羹店総本店」の看板商品である「鶴吉羊羹」の中でも一番の人気。平成25年の伊勢神宮式年遷宮の儀に際し、外宮への奉納品ともなった由緒正しき品なのです。

「常盤木羊羹店総本店」は大正時代に創業し、伊豆山神社御用達の羊羹屋として、親子4世代に渡り家業を受け継いでいます。「鶴吉」というのは、現在の4代目当主の曽祖父に当たるという初代のお名前だそう。

橙は、冬が過ぎても果実が木から落ちず、翌年の新しい果実と共になり続けるため、「だいだい(代々)」と名付けられたと言われます。子孫が「代々」繁栄するという語呂合わせで、縁起物とされる柑橘ですが、そのまま生食するには酸味や苦みが強いため、生産量は多くなく、普段、見かけることはあまりありません。その「橙」を江戸時代から栽培し続けて大切に守り、生産量日本一を誇るのが静岡県の熱海市。

そんな地元の特産品である橙を、皮ごとたっぷりと練り込んであり、ほどよい弾力の生地を噛みしめるごとに、甘さとほろ苦さ、清々しい香りが広がります。柚子やすだちと同じく、「香酸柑橘(こうさんかんきつ)」と呼ばれる仲間ですが、それらともまた違った、深いまろやかさを持った上品な香りが特徴です。

4代目にお会いした際、意外なほどお若く、いかにも「お洒落男子」でいらしたので、少々驚いたのですが、職人の家に生まれ育ち、幼い頃からいずれ家業を継ぐことを意識しつつ、葛藤した時期もおありだったそう。しかしながら、和菓子職人の仕事を、若い人達が憧れるようなものにしていきたいと一念発起。地道な修業を重ねつつ、熱海の地から世界に発信してきたいと、国内だけでなく海外の品評会にも出品し評価を受けるなど、挑戦をしていらっしゃいます。今でもほぼ毎日のように製造現場に入り、羊羹を練っていらっしゃるそう。伝統の品を継承しつつ、新たなチャレンジを試みる、新世代の和菓子職人の息吹が感じられます。

常温で日持ちもするので、お歳暮やお年賀のご挨拶、お祝い事にもぴったりです。
お正月の集まりで、お茶請けやおせちの箸休めに。まさに「橙色」の華やかな色彩が美しく、白い皿にも黒い皿にも映えるので、スタイリングを考えるのも腕の見せ所です。日本酒と合わせていただいても、非常によくマッチします。

さらに、和製のマーマレードのようなイメージで、日本茶ばかりでなく、紅茶とも相性がいいので、ぜひお試しを!春夏には冷蔵庫で冷やして、スパークリングワインなどと合わせていただいてもお洒落ですね。

商品名:鶴吉羊羹(橙)

販売:常盤木羊羹店総本店

文:お取り寄せの達人:平岩理緒さん(スイーツジャーナリスト)