日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督【写真:Getty Images】

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そう簡単に納得できる結果ではないが…

 16日に行われたE-1選手権で韓国と対戦した日本は1-4で大敗。優勝を韓国に受け渡す形になった。国内組で挑んだ大会とはいえあまりに不甲斐ない結果に終わってしまった日本だったが、E-1はあくまで親善大会とも考えられる。この結果を受けてロシアW杯に悲観的な予測を立てるのは早計かもしれない。(取材・文:ショーン・キャロル/翻訳:フットボールチャンネル編集部)

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 日本代表は土曜日の夜に、韓国代表にホームで1-4の屈辱的敗戦を喫した。落胆を込めた反応を見せたくなるのも当然であり、ある程度は理解できることだ。

 ヴァイッド・ハリルホジッチのチームはスタートダッシュに成功し、開始直後に小林悠が決めたPKにより先制。だが残りの87分間は、調整に成功した相手にピッチ上のあらゆる場所で完全に圧倒されてしまい、非常にお粗末な守備の隙をいくつか突かれてしまった。

 最大のライバル相手にホームでこれほどの強烈な敗戦を喫するのはそう簡単に納得できるものではない。だが、その結果からW杯での悲劇的な運命を予期するのは少々行き過ぎだと言える。

「私の就任以来最悪の敗戦となった。こういった形で1年を終えることを非常に残念に思う」とハリルホジッチ監督は試合後の会見で話していた。

「しかし、こういった試合を通して示されるものは多い。様々なことを学べる機会になる。日本の本当の現状を考えれば、W杯で我々を待ち構えているものが何であるかは分かっている。こういうところから学んで改善していかなければならない」

 E-1サッカー選手権は基本的には親善大会であり、キリンカップと同等に位置づけられるものだ。レギュラーメンバーの90%が招集不可能であったことを考えれば、あるいはそれ以下かもしれない。そして親善試合においては常に、チームの限界や問題点について把握することが勝敗以上に大事なことだ。

 敗戦に日本国民が絶望している、と記者の一人から言われたハリルホジッチ監督は、やや苛立った様子で「今日のメンバーをW杯に連れていくことはない」と付け加えていた。

「W杯に向けて控えの候補となり得る選手たちをチェックしたいと思い、21名の選手たちをピッチに送り出した。もちろん、今日の試合だけに注目すれば落胆を覚えるだろう。絶望すらするかもしれない。もっと良い結果を出せなかったことは申し訳ない。だがキックオフから10分までに様々なことを観察し、韓国代表はあらゆる面で今回の日本代表を上回っていることが分かった」

W杯にはせいぜい平均的な期待を抱ける程度

 この率直な言葉を快く思わない者もいるかもしれない。だが、圧倒されてしまったことを無条件で認めざるを得ない場合もある。

 この大会に向けたメンバーが発表された時点から、盛り上がりも期待感もほとんどあったわけではない。だが3試合(うち2試合には勝ったが、かなりの幸運に助けられたと言わざるを得ない)を戦い終えた今、チームを取り巻く空気はショックと不安に支配されている。

 だが実際のところ、今回のチームは日本代表というよりも「Jリーグ選抜」だった。だからといって韓国に敗れたという結果にファンがさほど痛みを感じる必要がないというわけではないが、必ずしもこの結果をW杯の展望に反映させる必要もない。様々な要素を冷静に考慮すれば、いずれにしてもW杯にはせいぜい平均的な期待を抱ける程度だ。

「初戦(北朝鮮戦)を終えたあと、今回のチームを過度に厳しく評価する必要はないと確か言ったと思う。このメンバーでどれほどパフォーマンスを改善することが可能なのかも分からないからだ」とハリルホジッチ監督は話していた。

「この大会には、呼びたくても呼べない選手が10人か11人ほどいた。だがその10人か11人がいたとしても、今日の韓国戦は非常に難しい試合になっていたと思う。受け入れがたいことかもしれないが、認めざるを得ない真実だ」

 おそらく65歳の指揮官は冷静な素振りを見せることで、気が抜けて混乱に陥っていた控えメンバーたちを擁護しようとしたのだろう。韓国は確かに印象的な戦いを見せたが、フルメンバーの日本であればもっと力を発揮できたことは間違いない。

 キム・シヌクは2メートル近い長身を誇りながらも、2得点のいずれの場面でもマーカーを外してみせた。チョン・ウヨンはセーブ不可能な直接FKを突き刺し、4点目もセットプレーからコースの変わったボールだった。

 日本がこの試合に敗れるのが妥当な結果だったことは確かだが、また別の機会に戦えば、たとえ同じメンバーでも点差ははるかに縮まるかもしれない。実際のところ終盤に4-2-3-1に変更してからは、徐々に下がっていく韓国の守備ラインに助けられたとしても、日本はより危険なチームに見え始めていた。

これから大事なのは、この敗戦を教訓とすること

 これから大事なのは、ハリルホジッチがこの敗戦を教訓とし、メンバーと戦術の両面においてロシア行きに向けた選択肢をより明確に固めていかなければならないということだ。

 手痛い敗戦に対して前向きに対応することが長期的には大きな効果をもたらすことは、土曜日の試合で反対側のベンチに座っていた男を参考にするだけでも分かることだ。

「リオ五輪の最終予選で日本と対戦した時には、2-0のリードから逆転されて2-3で敗れてしまった」と韓国代表のシン・テヨン監督は、就任以来最高の一戦となった試合を戦い終えたあと語った。

「だからこそ、リードしていても敗れる可能性があることは分かっていた。試合の中で何が起こり得るのか、常にシミュレーションするようにしている。今日は先に失点してしまったが、追い上げるシナリオも準備していた」

「ドーハ(2016年AFC U-23選手権)で日本に逆転されて2-3で敗れたことが良い教訓になった。辛い敗戦ではあったが私にとっては財産であり、そこから学ぶことができた。今日は大きなプレッシャーの中での戦いだったが、過去の経験を活かすことでそのプレッシャーを乗り越えられた」

 ハリルホジッチもこの苦しい経験を来夏に向けた糧とすることができれば、彼と日本代表にとって大きなターニングポイントになった敗戦だと言えるようになるかもしれない。

(取材・文:ショーン・キャロル)

text by ショーン・キャロル