沢尻エリカの6年ぶりの主演映画では孤独な女性と猫のちょっと不思議で心温まる物語を描く/(C)2018 「猫は抱くもの」製作委員会

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2018年6月23日(土)公開の映画「猫は抱くもの」で、沢尻エリカが「ヘルタースケルター」(2012年)以来6年ぶりに主演を務めることが分かった。10月30日より撮影が始まり、このほどクランクアップを迎えた。

【写真を見る】沙織(沢尻)と見詰め合う猫の良男/(C)2018 「猫は抱くもの」製作委員会

沢尻演じる主人公・大石沙織は、思い通りの生き方ができず、心に孤独を抱えた30代の女性。本作では、自分を沙織の恋人だと信じる猫との心温まる不思議な物語が描かれる。

監督は、「ジョゼと虎と魚たち」(2003年)、「メゾン・ド・ヒミコ」(2005年)などの繊細な恋愛ドラマから、「のぼうの城」(2012年)のような歴史大作まで幅広いジャンルの作品でメガホンを取った犬童一心。

漫画「グーグーだって猫である」(大島弓子原作)の映画版(2008年)とテレビドラマ版(2014、2016年)で“猫映画”の演出も手掛けた犬童監督が、“人の世界”と“猫の世界”を混在させた犬童ワールドを描き出す。

原作は、推理小説「猫弁」シリーズで知られる大山淳子の同名小説(キノブックス刊)。脚本は、ドラマ版「グーグーだって猫である」で犬童監督とタッグを組んだ高田亮が担当する。

「犬童監督の作品にはいつか出演してみたかった」という沢尻は、本作の出演オファーをほぼ即決したとのこと。「ヘルタースケルター」や「新宿スワン」(2015年)で見せた“強い女性”像から一転、本作では思うように生きられない女性を繊細に演じ、アイドル時代のダンスと歌唱のシーンにも挑戦している。

■ あらすじ

主人公・大石沙織(沢尻)は、とある地方都市のスーパーマーケットで働く33歳。かつてはアイドルグループ“サニーズ”のメンバーとして活動していたが、芸能界では芽が出ず、すべてに嫌気が差して都会から逃げてきた。

今の自分を好きになれず、周囲ともうまくなじめない彼女にとって、心を許せる唯一の存在は、ペットショップで売れ残っていたロシアンブルーのオス猫・良男。うれしかったこと、悲しかったこと、腹が立ったこと…。すべてを受け止めてくれる良男に向かって、沙織は日々、正直な気持ちを語り掛ける。

そして良男は、いつしか自分を人間だと信じ込み、恋人として沙織を守らねばと思い始める。しかし、寄り添って生きていた“2人”だけの日常に、あるとき変化が訪れる。

■ 主演・沢尻エリカ クランクアップインタビュー

――今回、犬童監督から主演のオファーを受けられた際、どのように思われましたか?

監督とは、私が「ヘルタースケルター」に出演した翌年、日本アカデミー賞の授賞式で初めてお目にかかったんです。その際にお話しさせていただいた印象が強く残っていて。いつかお仕事でご一緒できたらいいなと、ずっと思っていました。

ですから、今回オファーをいただいたときは、ほぼ即決でしたね。自分の中に、犬童監督への絶対的な信頼感みたいなものがあったので、自分の直感を信じようと思いました。

――主人公・大石沙織は元アイドルで、今はスーパーのレジ係をしている女性です。演じるに当たってあたって意識されたこと、準備されたことはありましたか?

事前に準備するというよりは、実際に現場に立ってみて、そこで感じたことを基に、役を作り上げました。沙織を演じて感じたのは、すごく多面的なキャラクターだなということ。彼女は過去にアイドルとして挫折していて、その経験から逆に、自分というものをうまく出せなくなっている。

でも芯の部分には「本当はこういうふうに生きたかった」という強い思いも抱えている。沙織が心に抱えているもの自体は、実は多くの人たちと共通してるんじゃないかなとも感じました。

――本作が初タッグとなる犬童監督の演出はいかがでしたか?

すごく、やりがいがありました。全編が、今まで経験したこともない撮り方ばかりでした。舞台上で撮るシーンと実景シーンが混在していて、“人の世界”と“猫の世界”が入り混じっていたので、演じ分けが大変でしたけれど、全力投球でやりきるしかないなと(笑)。自分の限界を決めず、監督の演出の下でどこまでいけるか挑戦できたと思います。

――主人公・沙織にとって、愛猫(良男)はどのような存在だと?

たぶん沙織は、いろんなことに対して不器用な女性だと思うんです。周囲に対して自分をうまく出せないし、そういう自分にもどかしさを感じている。

彼女にとって良男は、そういう“好きになれない自分”もすべて引っくるめて受け入れてくれる、最大の理解者なんじゃないかな。人間の恋人とはちょっと違うのかもしれないけれど…なくてはならない存在。

これはペットに限った話ではなく、何かと良い関係で日々を過ごすことって、人にとって大事だと思うんですね。仕事で悩んだとき恋愛で悩んだとき、すべてを受け入れてくれる存在がいてくれること。

自分を癒やし、ハッピーにしてくれるものを、心から大切にすることって、すてきだなと。この映画に出演して、考えたりしました。

■ 犬童一心監督 クランクアップインタビュー

――クランクアップを迎えた、現在の思いを教えてください。

沢尻エリカさんの魅力と実力を実感できました。名作「ヘルタースケルター」を見た私は、沢尻さんの演技に感じ入り、アカデミー賞の受賞式の日に樋口真嗣監督と共に沢尻さんにその感動を伝えに行きました。

「いつか一緒に作品を」という下心があったのは当然です。沢尻さんはその時のことを覚えていてくれました。自分の下心に感謝です。

――作品に込めた思いを教えてください。

うまくいかないことの輝き、置いてきぼりを食らっている時間の魅惑。成功への希求ではなく、積極的な諦めを選んだときにこそ踏み出せる一歩、その爽快さ。

元アイドルの沙織が自分を見詰め、未来への答えを探す最中、揺れる心のダイナミックな動きを、映画の遊びと、演者たちの魅力でエンターテインメントにしていきたい。そして、究極の相棒“猫”、その存在の大きさを表現したい。世代や年齢に関係なく楽しめる、人生の絵本を描いてみました。(ザテレビジョン)