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2017年も多くの愛すべきデジタル製品が登場しました。マイナビニュースでは、デジタル業界に造詣の深いライター諸氏による年末特別連載「2017年ベスト買い物」を12月末まで随時掲載していきます。今年、実際に購入した製品のなかで最も「買ってよかった!」と思ったものを紹介する本企画。第6回は、デジタルカメラのレビュー記事を多数執筆しているフォトグラファーの永山昌克さん。2017年ベスト買い物は、キヤノン「EOS 6D Mark II」です。

キヤノン「EOS 6D Mark II」は、フルサイズセンサーを搭載したデジタル一眼レフカメラです。2012年に発売された「EOS 6D」の後継であり、小型軽量ボディを維持しながら、高画素化と高速化、高機能化を図っています。

○EOS 6D Mark II、購入前の迷いとは

EOS 6D Mark IIは、私自身キヤノンユーザーとして待ち焦がれていたフルサイズセンサー+バリアングル液晶対応モデル。しかし、すんなり購入を決めたわけではなく、買う前には結構な迷いがありました。

躊躇したのは、ミラーレスカメラが主流になりつつある今のカメラ市場で、約20万円を払って新しい一眼レフカメラを買う意味があるのか、という点。現に私のまわりでは、アマチュアカメラマンはもちろん、プロでさえメイン機材を一眼レフからミラーレスに移行する人が増えています。

確かに、近ごろのミラーレスは完成度が高まっています。小さくて軽いボディはありがたいし、かつて弱点といわれたAF(オートフォーカス)や連写、電子ビューファインダー(EVF)まわりの進化も目覚ましいものがあります。レンズのラインナップが充実してきたうえ、ソニー「α9」や「α7R III」、富士フイルム「GFX 50S」など、プロ仕様のミラーレスも登場してきました。

ですが、そんな高機能ミラーレスの誘惑に負けず、初志どおり一眼レフのEOS 6D Mark IIを選びました。それはなぜか。そして、その判断が正しかったと思える根拠は何か。約4カ月間使った実感を踏まえ、EOS 6D Mark IIの魅力を、次の3点にまとめてみました。

○1. 光学ファインダーとバリアングル液晶の両立

一眼レフとミラーレスは、ファインダーの形式が異なります。一眼レフが採用する「光学ファインダー(OVF)」と、ミラーレスが採用する「電子ファインダー(EVF)」にはそれぞれ長所と短所があり、どちらが有利とは一概に言えないのです。

EOS 6D Mark IIは、一眼レフなので光学ファインダーを搭載しています。加えてバリアングル液晶を備え、ライブビューの使い勝手に優れることが長所のひとつ。キヤノンが「デュアルピクセルCMOS AF」と呼ぶ独自技術によって、ライブビューでも快適にAFが作動します。つまり光学ファインダーでは一眼レフとして心地よく撮影でき、バリアングル液晶に切り替えれば、まるでミラーレスのように便利に使えるので、両者のいいとこ取りというわけです。

○2. 確かな操作フィーリング

ふだんカメラレビューを書く際は、画質から機能、操作性までまんべんなくテストしますが、自分用にカメラを買う際は、手にしたときの感触と取り回しを特に重視します。EOS 6D Mark IIは、フルサイズ一眼レフの中では比較的コンパクトなボディながら、しっかりとしたグリップを備えています。私にとって大きすぎず小さすぎない、ちょうどいいバランスです。シャッターボタンや各種ダイヤル、ボタンの操作感も良好。さらにタッチパネルの反応や液晶モニターの視認性、明快なメニューUI、バッテリー持久力なども申し分ありません。

○3. 多機能すぎず、安定感のある画質

私は、ミラーレスもオリンパス「E-M1 Mark II」とソニー「α6500」を所有しています。これらもEOS 6D Mark IIとは別の意味でとても気に入っていますが、仕事や作品撮りなど、ここぞという撮影ではEOS 6D Mark IIを持ち出します。

その理由は、EOS 6D Mark IIが搭載する機能と設定がほどよくシンプルにまとまっているから。デジタルならではの特殊な撮影機能は、あれば確かに便利でしょう。しかし写真をすばやく撮る際には邪魔になることがあります。そもそも写真の良し悪しは、カメラの機能や設定ではなく、「構図」「ライティング」「シャッターチャンス」の3つによって決まることが大半です。その3点に気持ちを集中させるには、多機能すぎるカメラよりも、必要な機能をシンプルに凝縮させたEOS 6D Mark IIが私には最適なのです。

それでいて、撮影条件を問わず、バランスのいい露出と発色が得られることはキヤノンのEOSシリーズに共通したメリット。暗所や逆光、夜間、ミックス光源下といった難条件下でも、大きく外すことがありません。