西新宿に実在する理容店を舞台に、経営コンサルタントと理容師が「行列ができる理容室」を作り上げるまでの実話に基づいたビジネス小説。「小さな組織に必要なのは、お金やなくて考え方なんや!」の掛け声の下、スモールビジネスを成功させ、ビジネスパーソンが逆転する「10の理論戦略」「15のサービス戦略」が動き出す。
理容室「ザンギリ」二代目のオレは、理容業界全体の斜陽化もあって閑古鳥が鳴いている店をなんとか繁盛させたいものの、どうすればいいのかわからない。そこでオレは、客として現れた元経営コンサルタントの役仁立三にアドバイスを頼んだ。ところが、立三の指示は、業界の常識を覆す非常識なものばかりで……。
12/6配本の新刊『小さくても勝てます』の中身を、試読版として公開します。

ビジネスの〈ナマモノ問題〉

「自分のビジネスを考察するうえで、もう1つ大事なことがある」

「なんすか、それ?」

「どういうふうにしたらビジネスを効率的にできるかという〈オペレーションズ・リサーチ〉て学問なんやけど、その中に〈ナマモノ問題〉ていうのがある。昔、世話になったラーメン店の大将が、今、北陸で魚を売って歩いているんや」

そう言って、立三さんはまた突飛な話を始めた。

「ラーメン店を閉めて、魚を売ってるんですか?」

「そうや」

その大将は北陸の魚市場の仲買と知り合いになり、毎日、新鮮な魚を仕入れ、ワゴン車に乗せて、近隣の町で売って歩いているのだそうだ。

いわゆる移動販売だ。

大将は毎日、仕入れた魚を、その日のうちに売り切らなければならない。

新鮮さが勝負だから、今日の魚を明日売ることはできない。だから大将は、「今日はどのくらい売れそうか」を毎日考えて仕入れないと、売れない在庫を抱えることになる。

「ここまでわかったか?」

「はい」

【オペレーションズ・リサーチ】
新しくビジネスを始める時や現在実行中のビジネスを改善する際に,数学的・統計的モデルやアルゴリズムの利用などにより、最も効率的になるように決定する科学的技法。

続きはこちら(ダイヤモンド・オンラインへの会員登録が必要な場合があります)