韓国に屈辱的大敗を喫したあの夜、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は眠れなかったそうだ。12月18日に行なわれた来年のスケジュール発表会見で、いまだ胸中で燻る悔しさを明かした。1990年を起点とする監督としてのキャリアで、ホームゲームで4失点を喫した敗戦は初めてだったという。

 各国代表チームのカレンダーは、しばらく動きを止める。次にチームが招集されるのは来年3月のインターナショナルウインドーで、その次はロシアW杯の直前になる。23人の登録メンバーを絞り込む最終テストは、3月のウインドー期間内で実施可能な2試合だ。

 Eー1選手権でのテストを「満足がいくものだった」とハリルホジッチ監督は話すが、ポジティブな意味での悩みが増えたとはいいがたい。これまでのメンバーを中心に戦っていくことが、再確認された大会だった。

 気になるのは「これまでのメンバー」の動向だろう。

 たとえば、最終予選を通じて左ウイングのファーストチョイスとなった原口元気は、所属するヘルタで定位置を確保できていない。現状のままでは、ゲーム勘やゲーム体力に不安が生じる。実戦から離れている選手が、メンタル的なアグレッシブさを失ってしまう傾向に陥りがちなのも気になる。
 
 大迫勇也もこのところベンチ外が続く。ケルンの得点源となるべき選手だけに、体調さえ戻ればスタメンに戻ってくるだろう。ただ、最下位に沈むチームに引きずられるように、彼自身がフォームを崩してしまうリスクが無いとは言えない。

 原口の左ウイングでは乾貴士が、大迫のCFでは岡崎慎司が、クラブで好調さをアピールしている。クラブW杯に出場した本田圭佑も状態が上向いていることを印象づけ、ドルトムントの香川真司も得点に絡むプレーを見せている。ここから先はプラス材料とマイナス材料を見極めながら、様々なシミュレーションをしていかなければならない。

 3月のテストマッチについて、ハリルホジッチ監督はW杯の対戦国を想定した相手を要望している。

 優先順位はセネガルの仮想敵国だろう。セネガルとは03年9月を最後に同じピッチに立ったことがなく、ブラックアフリカの国々ともブラジルW杯のコートジボワールが最新の対戦となっているからだ。

 W杯の出場国から選べば、ナイジェリアが理想的と言える。問題はアフリカ勢のスケジュールだ。3月のインターナショナルウインドーにアフリカ選手権の予選が組まれており、ナイジェリアは22日にホームでセイシェルと試合をすることになっている。その他のW杯出場国も、W杯出場を逃したコートジボワールやカメルーンも、22日か23日に同予選を消化することになっている。アフリカ勢とのマッチメイクは、ややハードルが上がっている状況だ。

 仮想セネガルに続いて優先順位が高いのは、仮想ポーランドになるはずだ。この東欧の伝統国とも、久しく顔を合わせていない。最後の対戦は15年前の02年3月である。

 こちらもW杯の出場国からチョイスすると、セルビア、デンマーク、アイスランド、クロアチア、スウェーデン、スイスなどが候補に上がるだろうか。レバンドフスキのようなパワフルなCFを擁し、サイドアタックを得意とするタイプと、このタイミングで対戦しておきたい。

 スウェーデンはチリ、クロアチアはペルー、スイスはギリシャ、アイスランドはペルーと、すでに来年3月のマッチメイクを成立させている。あと1試合の相手に割って入れるか、日本の交渉力が問われるところだ。