テレビのようなコンテンツを作るというFacebookの野望に問題が生じている。Facebookが販売するコマーシャルやスポンサー契約から得られる収益に、作り手たちはまだ満足していない。そのため、自分たちに販売させるようにFacebookに要求し、また、条件を改善しないなら番組をほかのプラットフォームに移す用意があるという声も上がっている。

Facebookに番組を売ったことがある、大手メディアコングロマリット1社とデジタルパブリッシャー3社の計4社に話を聞いたところ、ミッドロール広告を販売しやすくするようにFacebookに要求していると語ってくれた。また、FacebookのWatch番組のスポンサー契約販売をできるようにする働きかけもしているという。Facebookはというと、情報筋たちによると、そうした機会を開放することを躊躇してきた。「回答はいつも同じで、『検討はしているが、まだそこまでは至っていない』といわれる」と、Facebook提供番組のパートナーは述べている。

広告バイヤー2社によると、Facebookはミッドロール広告をプログラマティックで販売している。この広告枠をパブリッシャーのパートナーに開放するのをFacebookがためらうのは、情報筋のパブリッシャーたちによると、直販によるコンテンツに連動した掲載よりも、ユーザーのターゲティングに基づいた広告販売を行いたいからだという。また、広告主への番組スポンサー契約の売り込みもFacebookが行ってきたが、広告バイヤーによると、より大きなFacebookメディアの購入のなかに含まれてしまっている。Facebookが資金を出した番組のスポンサー契約販売をパブリッシャーができるようにしたら、広告収益の一部をFacebookが逃す可能性があるのだろうと、情報筋のパブリッシャーたちは推測する。

マネタイズが急務に



現在は、動画広告からの収益のうち45%をFacebookが取っている(ただ多くの場合、収益の分配前に、Facebookがパブリッシャーに払う毎月の番組や動画の制作費が引かれる)。広告枠をパブリッシャーが扱えるようにした場合、この収益配分にどのような影響があるのかはっきりしないが、現在の収益配分(YouTubeと同じ)にとどまると見込んでいるパブリッシャーが多い。番組スポンサー契約については、Facebookが同じ配分を要求するかもしれない。

デジタルメディアには厳しい時代だ。Facebookでの広告収益と動画配信に注力することで大きなビジネスを構築することに賭けた多くのデジタルパブリッシャーたちは、収益拡大にまだ苦戦している。Facebookがもたらすリーチが、いずれ安定した広告費に変わるだろうという希望は、まだ大部分が証明されていない。そのため、デジタルパブリッシャーはFacebook動画の取り組みを持続可能なビジネスへと転換することがますます急務になっている。

「Facebookは、我々のマネタイズの機会作りは、かなりよくやってくれてきた。ライブ動画の広告契約に加わったし、ミッドロール広告の契約にもかんでいる」と、Watchとミッドロールのパートナー。「しかし、うまく行かなくなれば、これをビジネスにできるやり方について、我々がほかの答えを見つけるのに協力してもらう必要がある。だからこうして迫っているのだ」と語った。

ほかのプラットフォーム



ほかのソーシャルプラットフォームのほうがマネタイズの条件が友好的であることを指摘し、マネタイズ商品の改善をFacebookにより一層迫っていると、複数のパブリッシャーが語った。Snapchatは、番組の制作資金は提供していないが、番組内の広告枠を販売し収益を均等に分けることを許可している。またTwitterは、アンプリファイ(Amplify)の動画パートナーに、プラットフォームで動画が生み出した広告収益の70%を提供している。

「我々はFacebook戦略について、場合によっては(Watch)番組のひとつについては広告主のスポンサー契約でセカンドシーズンを作り、それをFacebookやその他のプラットフォームに流し、番組はFacebookの独占ライセンスにしない方が理にかなっているのではないかと考えるまでになっている」と、複数の番組を持つWatchパートナーは語る。「現在、Watchからはオーディエンスをそれほどもたらされておらず、オーディエンスが多い番組は、パブリッシャーがそれぞれのページで大きなオーディエンスを構築している。そのため、ますます明確になってきているのは、6カ月前には何の疑問もなくWatchに番組を出したかったが、いまとなっては、(Facebookが)何らかの友好的な方法でオーディエンスもマネタイズももたらさないのであれば、果たしてそうするべきなのかを問うていかなければならないということだ」。

ミッドロール広告の販売に向けた今後の計画について、Facebookはコメントを拒否した。

「Watchは物足りない」



パブリッシャーからすると、Facebookのルールは、Facebookが資金を出したWatch番組で稼げる金額を制限している。Facebookのオリジナルコンテンツのパートナーは、ほとんどの場合、番組のスポンサーシップと調整の販売を許可されていないと情報筋の3人。番組にお金を出す用意があるというスポンサーがいる場合でさえ、Facebookは契約を拒否したという。

「(Watch番組は)ほとんどお金が入らない。最低(制作)保証額がすべてだ」と、Watchパートナーのひとりは語る。「お金の点で言うと、Watchにおいてスポンサーシップを売れるならいいかもしれないが、そうでないならかなり物足りない」

ここで明らかにしておかなければならないのは、FacebookはWatchで100本を超える番組に資金を提供しているが、すべての番組にお金を出しているわけではないということだ。パブリッシャーは、FacebookのWatchの番組ページを独自に準備し、そのなかでシリーズ番組を配信できる。Facebookは、広告主のために制作したブランデッドシリーズのWatch番組ページをパブリッシャーが作るのは歓迎するが、そうした番組にFacebookが直接お金を出すことはないと語っている。

自ら売りたいパブリッシャー



FacebookのWatchパートナーにとって大きな問題なのは、番組内に表示できるミッドロール広告を売り込めるかどうかだ。いまのところ、Facebook広告のマネタイズプログラムはパブリッシャーにあまり収益をもたらしていない。

「リッキー・バン・フェーン氏らには、(ミッドロール広告インベントリー[在庫]の一部を)売らせてくれるように主張している。我々の製品は、自身の販売チームのほうがうまく売ることができる」と、Watchのオリジナルコンテンツパートナーは語った。

「番組を見て、こうした番組を利用したがっているブランドはすでにいる」と語るのは、別のコンテンツパートナー。「私がプラットフォームでどうやってお金を稼いでいくのか、どこかの時点で答えが必要になる」。

「Facebookは長期的だ」



Facebookはいずれミッドロール広告インベントリーとWatch番組のスポンサーのグリップを緩めると楽観視する向きもある。もちろん、そうなるのはパブリッシャーがそうするようにFacebookへの圧力をさらに強めた場合だ。

「Facebookは、動画のマネタイズ計画に関しては非常に長期的だ」と、Watchとミッドロールのパートナー。「Facebookはそれでいいが、パブリッシャーはコンテンツをいまどうマネタイズするかについて長期的でいられるような余裕はない。スナップとTwitterがこの点でパブリッシャーと一緒に精力的なのは正しい」と、このパートナーは語った。

Sahil Patel (原文 / 訳:ガリレオ)