羽田空港のレストラン事情を、食べログ評価から分析してみよう(写真:Takasa / PIXTA)

日本の空の玄関口・羽田空港。2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据え、首都圏空港としての機能強化を図っている。2010年10月の国際線ターミナルの開港以降、利用客は国内外で大幅に増加。今後発着枠を拡大する計画もあるため、さらなる利用者増が見込まれる。

存在感が高まる羽田空港だが、レストラン事情も世界に恥じない内容なのか。羽田空港の第1旅客ターミナル(主に日本航空が中心)、第2旅客ターミナル(主に全日空が中心)、そして国際線の3カ所で比較してみたい。

羽田で一番「グルメなターミナル」は第2

まず、羽田空港にある飲食店の食べログ店数のターミナル別平均点を算出した。最も平均点の高い「美食ターミナル」は第2ターミナルの3.18点。次に3.13点の国際ターミナル、3位に3.12点の第1ターミナルと続く。第2ターミナルは飲食店の数がほかのターミナルと比べ多いため単純には比較できないが、食べログ推奨のおいしい店の基準となる「3.5点以上」の飲食店の数でも、第2ターミナルが最も多い結果となっている。次に評価が高いのは国際線ターミナルだが、ここはつけ麺の「六厘舎」といった一部の有名店が高い点数を取り、全体を押し上げている傾向がある。


価格別に見ると、羽田空港全体として1000円未満の料金単価のお店が圧倒的に多い。食べログ掲載店のなかには、お土産物店も多いため、この傾向が強くなる。また、出発間際で時間に余裕がない人の利用が多いという事情もあり、回転率の高いファストフード的な店に偏っていることも原因だ。


羽田のグルメを満喫する方法

さて、点数の高いお店で食事をしたいと思えば、早めにチェック・インをして手ぶらでターミナルを移動するのも手だ。

第1と第2旅客ターミナル間の移動には、地下にある連絡地下通路が利用できる。距離は約400メートル、動く歩道があり、荷物がなければ約5分程度である。また、移動するシャトルバスは無料で利用でき、5時から24時までの間、約4分間隔毎に停車、ターミナル間を約3分程度で移動できる。

ただし、国際線旅客ターミナルには、深夜・早朝便では課題もある。深夜・早朝に離発着する場合、利用できる飲食店がほとんどないのだ。今回、ランキング調査で、トップから第10位のなかで、24時間営業店は何とラーメン店1店舗しかない。


国際線ターミナルには日本の古い町並みをイメージしたエリアを設けるなど、工夫はされているが…(写真:ニングル / PIXTA)

筆者も早朝のヨーロッパ便を利用した際に難儀した。「最後の晩餐」ではないが、日本を発つ前の最後の食事は上位店で食べたいものだが、選択の余地がないのは国際標準としては遅れていると言わざるをえない。

確かに夜間・早朝は従業員の賃金が高い割に客が少ないという問題はある。ただ、日本食人気が世界的に高まり、ミシュランで星の獲得数が多い日本の玄関口の国際空港なら、もう少しランドマークとしての役割を担うことを期待したい。

現代の米国において、鉄道産業は元気があるとはいえない状況だが、その理由は商業施設の開発など鉄道周辺事業に注力しなかったことがよく挙げられる。遠距離の移動手段は飛行機に取って代わられ、輸送手段以外の価値に乏しい鉄道産業は勢いをなくしていった。

日本でもJR九州では、運輸部門の売上高895億2000万円が全体1894億100万円の47%まで下がっている。つまり、非鉄道部門であるマンション販売の建設、駅ビル不動産、流通・外食などの事業が、すでに5割を超えているのだ(九州旅客鉄道2017年度中間期決算資料より)。JR九州は東京・新宿にも進出しビジネスホテルを運営している。

高速道路業界に目を向けると、パーキングエリアを魅力ある施設に変えて集客に成功している例は多い。

羽田空港は「国管理空港」で、運営事業者はターミナルの運営のみを任されている。そのため、単純にほかの業界と比較できないものの、施設充実に向け学ぶべきところは多いはずだ。

そもそも、羽田空港は立地面でも飲食店にとって悪くない場所だ。交通アクセスはバス・鉄道が充実しており、さらには駐車場も完備している。航空機の離発着風景を見ながらの食事は、ほかにはない特別感を演出できる。また、ゲート付近から滑走路を結ぶルートには、青と緑の誘導ライトが光り、夜間はイルミネーションの楽しみもある。

2020年の東京オリンピック・パラリンピックを前に、食べログ3.5以上の店がはたしてどれくらい増えるのか。羽田に出店することが店にとってステータス・シンボルになるような、空港開発をしてほしいと切に願う。