23日に営業運転を開始するE353系「スーパーあずさ」

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 JR東日本は中央線の新型特急車両「E353系」で、車両や車載機器の稼働データを取得し、ビッグデータ(大量データ)の分析によるメンテナンスの最適化に乗り出す。在来線特急では初の試み。データの傾向や相関関係をみつけ、異常の予兆管理や進行を把握して、適切な時期に修理を計画するなど保全作業を効率化。列車運行の安全や安定性の向上につなげる。

 E353系は運転台で車両の状態を監視できる列車情報管理システム「TIMS」に、記録装置を接続した。TIMSが取得するブレーキや空調、ドア開閉など約10機器の稼働データを時系列に蓄積できるようにした。

 データは車両基地に設置した専門チームに持ち込む。車両保全の知見を持った技術者が経験や勘を踏まえて、可視化された稼働データを分析、検討する。

 JR東は状態監視を行うことで従来、走行距離や期間の周期による時間基準保全(TBM)で対応した修理・交換を、必要に応じて行う状態基準保全(CBM)に移行させる。

 JR東の車両機器状態監視は、山手線「E235系」が初。次世代列車情報管理システム「INTEROS」を搭載して地上・車両間通信で常時状態監視しており、E353系に比べて約10倍のデータ量を扱う。北陸新幹線「E7系」でも常時でないが車両稼働データの取得に着手した。

 E353系の状態監視は、既存システムを使う在来線車両で、新たなメンテナンス手法を構築する試みだ。社内にデータ分析できる保全技術者を育成し、各現場で車両CBMを展開する狙いもある。