オークマは新工場で生産を増強

写真拡大

 工作機械の11月受注実績に多くが目を疑ったことだろう。日本工作機械工業会が作成した資料には「受注総額1585億円」の文字。1000億円のラインが好不調基準とされる中、外需だけで1041億円をたたき出した。単月の1500億円台、外需の大台超えは初めてだ。業界の勢いを象徴するも、2017年はいつもの好況と様子が違う。

 「スマホ特需」。中国を中心に生じる、スマートフォンの部品を加工する工作機械の短期的な大口需要を示す。特に米アップルのスマホ「アイフォーン」の新モデル発売直前は規模が大きい。業界全体の受注額はスマホ特需に左右される傾向があり、例えば「アイフォーン6」が発売された14年は顕著だった。

 ただ、この特需の恩恵は工作機械数社に限定され、必ずしも業界全体の業況を反映しているわけではない。

 ところが、今年は景色が違う。おおむね2―6月はスマホ特需が全体を底上げたが、これが一息ついた9、10月も全体はぐらつかなかった。総額は9月がそれまでの過去最高を記録し、10月は同月の最高額。スマホ関連の落ち込みを吸収して有り余るほど、自動車業界や半導体業界など他産業が良いのだ。

 内需も同様に従前にはない傾向がある。例年、設備投資を後押しする国の補助金が需要を喚起してきた。この“特効薬”は数カ月にわたり効果があるが、その後は一気に終息してしまうのが常。ところが、今年は7月までに補助金効果がはく落した後も内需が伸び、11月まで前年同月比増が12カ月続いている。

 内需はトヨタ自動車の新設計構想「TNGA」関連や盛況な半導体業界が呼び水になっている。足元や将来の人手不足に備えた省人化・自動化投資も目立ってきた。仕事量も多く、補助金の募集を待って投資するほど時間的余裕がないようだ。

 中国経済の先行きは読み切れないが、好調の背景の半導体需要はしばらく続きそう。少子高齢は世界的な課題だ。