中国は、すでに世界最大のスマートフォン市場となっているが、今度はウエアラブル機器の分野でも、世界最大になるのかもしれない。

 米国の市場調査会社eマーケターがこのほどまとめた、中国におけるウエアラブル機器の利用実態調査レポートによると、同国では、今年(2017年)、成人インターネット利用者数の21.0%と、5分の1以上がウエアラブル機器の利用者になったと推計される。この数値は、米国の20.4%をわずかに上回っているという。

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今年の利用者数は1.7億人、来年は1.9億人に

 その具体的な人数は、1億4430万人。中国でウエアラブル機器市場が立ち上がったのは今から約5年前。それ以降、同国市場は急速に拡大し、その勢いは今のところ減速する兆しがないという。

 今後も中国市場は成長を続け、来年の利用者数は1億6700万人に、2019年には1億8700万人に達すると、eマーケターは見ている。また、成人インターネット利用者数に占めるウエアラブル利用者数の比率は、来年で23%に、2019年には24.5%と、ほぼ4分の1を占めるとしている。

 eマーケターによると、その背景にあるのは、絶えず新機能が搭載される安価な機器が市場に出回っていること。さらに、新たなテクノロジーに貪欲な成人の労働人口が多いことが、市場拡大につながっているという。

 この市場では、当初、米フィットビットのフィットネストラッカーといった、比較的安価な製品がよく売れた。だが、その時点で、フィットビットが中国ウエアラブル市場に及ぼした影響は小さかった。

 eマーケターによると、状況を一変させたのは、中国シャオミ(小米科技)。同社が、その後市場投入した、より安価な製品「Mi Band」によって、ウエアラブルの普及が加速したという。

 また、米アップルが2015年4月に市場投入した「Apple Watch」は同国市場拡大に寄与した。中国で増大する中間層は、高性能な高級品に対する購買意欲が旺盛。Apple Watchは、そうした人々にうまく訴求できたと、eマーケターは分析している。

世界市場ランキングで中国2社が上位に

 このeマーケターのレポートは、別の調査会社の調査内容とも一致する。例えば米IDCがまとめた、昨年1年間におけるウエアラブル機器のメーカー別世界出荷台数は、1位から順に、フィットビット、シャオミ、アップル、米ガーミン、韓国サムスン電子(ドイツ・スタティスタのインフォグラフィックス)。

 しかし、これが今年7〜9月期になると、シャオミがフィトビットと同率の首位に浮上。アップルの順位は同じく3位で、このあと、中国ファーウェイ(華為技術)、ガーミンと続いた。

中国で成功すれば世界でも成功

 前述したとおり、これらIDCのレポートは、世界の出荷台数をまとめたもの。一方で、シャオミとファーウェイの主要市場は依然、そのお膝元の中国である。

 つまり、中国メーカーの国内展開が、世界ウエアラブル市場に大きな影響を及ぼしているというわけだ。

 とりわけ、ファーウェイの7〜9月期における出荷台数は、1年前から156.4%増と、アップルよりも高い伸び率。ファーウェイはこの時期、中国でフィットネストラッカーの新製品を複数モデル市場投入し、出荷台数を伸ばした。この中国における成功が、同社を世界第4位のメーカーへと押し上げた。

筆者:小久保 重信