病気や事故での死よりは遥かに少ないものの、「コロシ」や「自殺」によって命を落とす日本人は毎年、一定数存在する。厚生労働省の人口動態調査から、その実態を調べてみよう

写真拡大

厚生労働省の人口動態調査では、自殺他殺ともに、どのような死因であるかがきっちり報告されている。日本人の「死」にまつわる事情をご紹介しよう。(ノンフィクションライター 和泉虎太郎)

厚労省統計で明らかにされている
「日本人の死に方」とは

 アメリカの政府統計によると、1年間に銃による自殺者は2万1386人、殺人事件(以下:コロシ)は1万1008件発生している(2014年、疾病予防管理センターのデータより)。

 では日本での銃使用がどうか、想像できるだろうか。自殺者は14人、コロシは3件(このほかに、自殺かコロシか特定されないもの4人、不慮の事故が4人)である。その数はアメリカの1000分の1にも満たず、拳銃のドンバチが繰り広げられる刑事ドラマは、絵空事を描いているに過ぎないことがわかる。

 それでは一体、日本ではどんな手段によるコロシや自殺が多いのだろうか。日本人はどんな死に方をしているのか、政府の統計からは「死」の実像が見えてくる。

 厚生労働省は毎年、出生、死亡、婚姻、離婚などについて、その全数をとりまとめた数字を人口動態調査として公表している。死亡については、死因ごとの人数が年齢や場所など、さまざまな切り口から集計されていおり、自殺(統計上は故意による自傷及び自殺)もコロシ(統計上は加害にもとづく傷害及び死亡)もその数が明らかにされている。

 ただし、16年の人口動態調査におけるコロシの数字は290人。一方で警察庁の統計では、895件発生していると報告されている。実際に起きたコロシ件数として正しいのは警察庁の数字の方であるが、人口動態調査におけるコロシは、医師が死亡診断書(死体検案書)を書いた時点で犯罪が明らかである場合に限られるので、全体の3分の1しか把握されていないことを予めご承知おきいただきたい。

続きはこちら(ダイヤモンド・オンラインへの会員登録が必要な場合があります)