山手線の最終電車は午前1時19分品川着だが、全国にはそれより遅くまで走っている電車もある(写真:hide0714 / PIXTA)

午前1時19分、東京の都心部や副都心地区、繁華街エリアを結ぶ環状線、JR山手線は、この時間をもってすべての電車の運転を終了する。

毎日運転されている夜行列車が「寝台特急サンライズ瀬戸・出雲号」だけとなった今、東京の大動脈と言える山手線よりも遅い時間まで走っている電車はごくわずかとなった。

そこで今回は、山手線の終電車が終わった後の時間でも動いている電車がどれだけあるのか、全国の列車を調査してみた。忘年会・新年会が行われるこの時期、これから挙げる列車を利用する方も多いと思うので、始発駅やターミナル駅の出発時間とともに紹介する。参考にしていただけたら幸いだ。

山手線終電より遅いのは16本

夜行列車以外で1時19分を過ぎても走っている電車は、全部で16本あった。そのうち2本はJR九州の特急電車だ。1つは博多を0時15分に出発して、長洲に1時20分に到着する特急「有明5号」。もう1つは、博多を23時ちょうどに出発、途中の小倉を23時53分に出発して、大分に1時21分に到着する特急「ソニック61号」だ。

JRの特急が深夜1時を過ぎても走っている理由は、同じ区間に夜行列車が走っていたからだ。有明5号が走る時間帯には2004年まで、博多と西鹿児島(現・鹿児島中央)を結ぶ夜行の特急「ドリームつばめ」が走っていた。

この夜行が廃止される直前の時刻表を見ると、山陽新幹線博多行の最終「のぞみ」に接続し、深夜1時40分に熊本に到着するダイヤとなっている。新大阪を21時29分に出発する新幹線に乗っても、その日のうちに(といっても、日付は変わっているが)熊本までたどり着ける利便性から、九州新幹線の新八代―鹿児島中央間が開業して、博多―西鹿児島の夜行列車の運転を取りやめた後も、博多―熊本に運転区間が短縮されて生き残った。

その後、利用者の減少から2014年のダイヤ改正で運転区間が博多―長洲に短縮されたが、博多駅を深夜0時過ぎに出発する特急は運転が続けられてきた。だが、2018年3月のダイヤ改正で「有明」は平日上り1本だけとなり、この列車も消滅することになった。

普通列車の終電も遅い九州


特急「ソニック」の車両(885系)。ソニック61号の大分駅到着は1時21分と遅い(写真:ジャトコ / PIXTA)

もう1本の特急「ソニック61号」は、かつて博多と宮崎空港を結んでいた夜行の特急「ドリームにちりん」の運行ダイヤを引き継いでいる。博多から宮崎は、日豊本線経由の特急「ソニック」と「にちりん」を使って5時間程度かかるため、夜行列車が運転されていたが、2011年、博多―鹿児島中央の九州新幹線が全通。鹿児島中央回りでおよそ4時間弱、新八代で高速バスに乗り換えれば3時間程度で行くことができるようになったことから、夜行列車の運転を取りやめた。

だが、前に紹介した「有明」と同じく、山陽新幹線最終の「のぞみ」と小倉駅で接続することや、23時まで博多に滞在しても別府や大分に戻ることができる利便性から、博多―大分の区間の運転は生き残った。しかし、2018年3月のダイヤ改正では最終「ソニック」は運転区間が途中の中津(大分県中津市)までに短縮され、到着時間も0時28分となる。

また、JR九州では、1時22分まで運転されている普通電車が2本ある。1つは、博多の3駅先、南福岡が終着の電車(門司港23時33分発、小倉23時48分発、博多1時13分発)で、もう1つは、日豊本線の柳ヶ浦(大分県宇佐市)が終着の電車(門司港23時10分発、小倉0時05分発)だ。

博多近郊の南福岡ならまだしも、なぜ柳ヶ浦行きの電車が深夜まで運転されているのかは謎であるが、国鉄時代の時刻表にも深夜1時過ぎに柳ヶ浦に到着する電車が載っていたので、運転士や車掌の仮眠施設などの関係もあるのだろう。だが、柳ヶ浦行きの最終列車も2018年3月のダイヤ改正で時間が約40分繰り上がり、0時42分着となる。

グリーン車に乗ったら危険?

首都圏には、山手線の運行が終了した後に運転されている電車が10本も運転されている。中でも目立つのは、1時37分まで運転している上野23時46分発の高崎行きと、東京0時20分発、新宿0時41分発の高尾行きだ。

高崎行きは、大宮を過ぎると万が一乗り過ごしても上り方面に戻る電車がない。上尾(0時23分着)や鴻巣(0時37分着)あたりで降りたいのに、座って居眠りをしてしまったら、高崎まで連れていかれるという危険な電車だ。電車は15両編成のうち10両が高崎行きで、5両が途中の籠原止まりなので、乗車の際は籠原止まりの車両に乗るのがオススメだ。

ちなみに、高崎行きの10両にはグリーン車が連結されている。ゆったり座って帰ることができる(自由席なので座れない場合もある)ため、忘年会のシーズン、すし詰め状態の普通車を避けてグリーン車で居眠りをするスーツ姿の乗客を見ることがある。だが、熟睡したら高崎まで運ばれてしまうので、高崎まで乗り通さないのであれば、この電車だけは普通車に乗ったほうが乗り過ごしの危険性は低くなるだろう。

中央線の東京0時20分発高尾行きも、乗り過ごしの危険性が高い恐怖の電車だ。新宿を出発したら、逆方向に向かう電車がなくなるからだ。時刻表を見ると、この高尾行きの電車が東京を出た7分後の0時27分(新宿発0時50分)に武蔵小金井止まりの電車が運転されている。さらに、高尾行きの15分後となる0時35分(新宿発1時01分)には三鷹止まりの電車があるので、武蔵小金井より手前の駅で降りるなら、後の電車に乗ったほうが安全だ。

忘年会シーズンになると、高尾駅周辺で路線バスを運行する西東京バスが「寝過ごし救済バス」という、高尾駅北口発八王子駅北口行きのバスを運転するが、このバスが高尾駅北口を出るのは1時05分。1時37分に高尾駅に着いても救済してくれるのはタクシーしかない。しかも金曜日の深夜のタクシー乗り場は間違いなく長蛇の列となるので、中央線の高尾行き最終電車に乗るときは、居眠りをしない強い意志で乗り込もう。

高槻のはずが西明石まで

山手線の終電以降も走っている電車ランキングで1位に輝いたのは、関西エリアを走る、京都23時35分発、大阪0時28分発、三ノ宮1時06分発の各駅停車西明石行きだ。

この電車の19分後、23時54分に京都を出発する新快速は、各駅停車より28分早い1時10分に西明石に到着するので、大阪、三ノ宮方面に向かう人はこの各駅停車は使わないだろう。そんなわけで、高槻や茨木など、京都から20〜30分程度で到着する駅の利用者が多いと思われるが、熟睡したら西明石まで行ってしまう。しかも駅前広場に放り出されるのが、なんだかんだで2時少し前だ。この電車の後に大阪止まりの各駅停車が2本運転されているので、起きている自信がないのであれば、この電車は見送ったほうがいいだろう。

JR以外でも、小田急や西武で深夜1時20分以降も電車が走っている。乗り過ごした場合に折り返せない電車ばかりなので、やむを得ず乗車する場合は、適度な緊張感を持って乗車していただきたい。