明治HD、医薬品事業の強化を目指しワクチン事業へ進出

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 明治ホールディングスは12日、化血研の人体用ワクチン事業などを承継する新会社を連結子会社にすると発表した。

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 化血研はインフルエンザや日本脳炎など人体用ワクチンや血液製剤を手掛ける一般財団法人として1945年に熊本医科大の研究所を母体として熊本市に設立された。2015年5月に血液製剤を承認書と異なる方法で製造していたことが判明し、業務停止処分を受けたため事業譲渡による体制の抜本的見直しを行うよう迫られていた。

 問題発覚前の2015年3月期の化血研の当該事業の売上は475億円、営業利益は127億円であった。「健康・予防」領域へのアプローチを強化するため、180億円を投じて感染症予防、動物用医薬品事業分野への進出を決断した明治ホールディングスの動きを見てみよう。

■前期(2017年3月期)実績

 売上高は1兆2,424億円(前年比102%)、営業利益は883億円(同114%)であった。

 食品部門の営業利益は前年よりも147億円増加の829億円(同122%)で、コア商品の拡販による102億円、原価低減68億円などが寄与した。一方医薬品部門の営業利益は前年よりも44億円減の57億円(同57%)で、新薬による利益増57億円に対し薬価改定による減92億円が影響した。

■今期(2018年3月期)見通し

 売上高6,114億円(同101%)、営業利益451億円(同121%)と好調な上期(4-9月)実績を受けた今期見通しは、売上高が13億円上方修正の1兆2,623億円(同102%)、営業利益は20億円上方修正の965億円(同109%)を計画している。

 食品部門の営業利益は前年よりも32億円増の861億円(同104%)で、物流効率化やコスト削減効果の44億円が貢献した。医薬品部門の営業利益は前年よりも53億円増の110億円(同190%)で、前年に大幅に増加した新薬導入費など販売費の削減40億円、新薬の販売効果19億円が大きく寄与した。

■中期推進戦略

 今期までの3年計画で、成長を加速し、さらなる収益性を向上させるため次の戦略を推進する。

 1.優位事業の強化と新たなる成長への挑戦

 食品部門では、乳酸菌のプロバイオ、ヨーグルトの強化とチョコレートの「健康」「プレミアム」を軸とした成長を目指す。

 医薬品部門は成長領域に経営資源を集中し、感染症領域では全身性抗菌剤市場シェア第3位から第2位へ、中枢神経系領域では抗うつ剤市場シェア第2位から第1位へ、ジェネリック医薬品領域では新薬系ジェネリック医薬品売上高第1位の確保を目指す。

 2.環境変化に対応しうる収益力の強化

 原材料コスト増、エネルギーコスト増、薬価改定の影響、戦略的な費用増加などに対応して利益増を実現するため、優位事業の売上増を図り、プロダクトミックスによる原価低減・効率化を推進する。

 3.グローバル展開の推進

 食品部門の前期海外売上高比率4%、医薬品部門前期海外売上高比率24%を高めて、グローバル展開を推進する。

 日本ではワクチンを製造する国内メーカーは6社、血液製剤は3社で中小の財団法人や社団法人が多いのに対し、欧米では英グラクソ・スミスクラインなどの巨大会社が研究体制を整えて市場の7割を握っている。

 上場企業として重要なワクチン市場に参入する明治ホールディングスの活躍を見守りたい。