名前ェがもうイル。リグレットガールて。直訳で後悔女子。フォロワー10万人ぐらいの風俗嬢アカウントがツイートを書籍化したときのタイトルみたいな名前。帯に落ち目の芸人からの「共感のリツイートが止まらない」みたいなコメント添えられてそう。なんの話だ。

 このreGretGirlというバンド、最近名前をよく見るようになったんだけれど2017年がバンドにとってどういう年だったか、その総括のようなバンドだなと。

 まず聴いてほしい。

 

 これ。この感じ。現代!!って感じ。Saraha!どうぶつタワーバトル!!iPhoneX!!!って感じのバンド。今年感、ある。今一番求められてるタイプのバンド。10代には歌詞から曲まで全部直撃してるんじゃないか。

 最近は関西のバンドがメジャーシーンにグッと来てて。歌中心のシンプルな構成に胸に痛い恋愛詞をセットにしたバンドが関西のライブハウスから固まって出てきていて個々人気を伸ばしているんだけれど、リグレットガールはその中でも人気が頭一つ飛びぬけてる印象。

 理由は、色々あると思うんだけど一番はやっぱり歌詞だと。

いつだってなかなか既読にならない
未読のままのラインが不安で
君が少し会いたいって言うから
思わず飛び出した午後8時
こらえきれずかけてしまう電話
夜の高速道路
耳に飛び込んでくる震えた声で
「私、好きな人ができたの」

 最悪。マジで。は?好きな人って俺のことだったはずだろ。やめてくれ。なんだこれ。そして始まる清涼感のあるイントロ。どんなテンションで聴けばいいんだ。躁鬱か、こいつ。

 昨今の歌詞事情って「悲惨であればあるほど良い」だとおもうんですよ。バンドは特に。

 2000年代から10年代前半は「音楽の派手さ」がバンド人気を左右していて、変拍子とかタッピングフレーズとかとにかく手数の多いドラムとか、そういうバンドブームがあったんだけれど、それも行きつくところまで行ったのか、今は冒頭に書いたように、リグレットガールみたいにサウンドはすごくシンプルなんだけど、歌詞が滅茶苦茶派手!っていうバンドが人気を博している。わかりづらいけど、ブームだと思いますこれ。

 にしてもこの「悲惨な歌詞ブーム」病んでるなと。

 古今東西振り返っても音楽なんてそもそも失恋をテーマにした曲ばっかりだし、普通に健全に生きてればアイドルとかポップシンガーの曲聴いてるところをわざわざバンド音楽聴くような奴間違いなくメンヘラだし、失恋詞が流行るのは納得なんだけれど、それにしても最近は失恋ソングが多い。

 その中でもリグレットガールが飛びぬけてるのが

 

君のもので溢れてる部屋で今朝も目覚めて
黄色い歯ブラシ みつめながら歯を磨く
あぁ そうか
もう全部夢じゃなかったんだ

 バンド名よろしく、本当に後悔の歌しか歌わないところ。

 人間って失恋すると、逆ギレするか、回想するか、後悔するかだと思うんですけど。愛の標識とかで逆切れしてんのがクリープハイプ、yonigeとかマイヘアは過去の出来事を淡々と振り返って相手の行く末を応援してる感じ、そう鑑みると、リグレットガールは徹底して後悔しまくってるのが死ぬほどダサくて新しいなと。リアルで良い。泣いたりパニックになったり、かっこよくないのがリアル。

 よく最近のバンドを捕まえては「女々しい」という人がいるけれど、女々しいって、男の為にある言葉だと思うんですよ。だって、犬に「犬っぽい」って言わないでしょ。女の子に「女々しい」って言わないよなと。上に書いたような女々しいバンドの代表格たちなんかとくらべものにならないくらいリグレットガールは圧倒的に女々しくて、それがむしろ男性的で良いなと。

 リグレットガールの登場で邦楽ロックバンドの歌詞、いよいよ病んできたなと思いませんか。でもこういうの好きでしょ。俺は好き。詞だけだと悲惨だけれど、音楽が前向きだから暗くならずにつらいテーマに向き合えるし。

 今失恋に苦しんでる人は是非。

 それでは。

 

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