LUNA SEA/X JAPANのギタリスト・ヴァイオリニストであるSUGIZOが12月6日、Zepp Tokyoでワンマンライヴ『SUGIZO 20th Anniversary ソロ・ライヴ・ツアー「SUGIZO TOUR 2017 Unity for Universal Truth」』のファイナル公演をおこなった。ソロデビュー20周年を記念し、11月19日の石巻BLUE RESISTANCEを皮切りに全国5公演をおこなうというもの。1stアルバム『TRUTH?』から「THE CAGE」や11月29日にリリースされたニューアルバム『ONENESS M』からゲストヴォーカルにToshl(X JAPAN)、清春、RYUICHI(LUNA SEA)を招き、この日だけのスペシャルなステージを届けた。SUGIZOは「この命尽きるまで全霊で音楽に邁進していきたい」と決意を述べ、20周年を総括するようなライヴでオーディエンスをサウンドでトリップさせた。【取材=村上順一】

サイケデリックで衝動的な第1部

ライブのもよう(撮影=田辺佳子)

 会場にはモジュラーシンセ奏者HATAKENによるエレクトロニカが静かに高揚感を煽るようにエンドレスに鳴り響いていた。開演を待ちわびるオーディエンスの姿。そして、会場が暗転するとサポートメンバーと、最後に大歓声に包まれるなか、ゆっくりとSUGIZOがステージに登場。オープニングナンバーは昨年にリリースされた『音』に収録された「IRA」。怒り、まさにそれを音で体現したkomaki(Dr)による怒涛のリズムに、SUGIZOのノイジーでサイケデリックなギターサウンドがアグレッシブに奏でられる。轟音が会場を飲み込んでいくようだ。

 一気に現実世界から解き放たれたような感覚のなか、20年前にリリースされたソロアルバム『TRUTH?』から「THE CAGE」を披露。シンセのパッドサウンドが冷たい温度感で鳴り続く。SUGIZOのエッジの効いたギターが、空間を切り裂くよう。「NEO COSMOSCAPE」では、センターに飛び出したパーカッションのよしうらけんじ(Perc)の後を引き継ぐようにSUGIZOがパーカッションをダイナミックに叩き上げ、「ARC MOON」では美しいクリーントーンのアルペジオを奏で、そこから紡がれていくサウンドは、月の引力に導かれるようなサウンドスケープ。

 「FATIMA」ではムスリム風の白い装束を纏った女性YUSURAがステージに。SUGIZOはヴァイオリンで作り出す幻想的なサウンドに合わせ、天井から吊るされたロープを巧みに使用し空中演舞を魅せる。浄化されるかのような神秘的な空間で視覚と聴覚が一体となった世界観で魅了する。「ENOLA GAY RELOADED」では“NO MORE NUKES PLAY THE GUI-TAR”と書かれたフラッグを大きく振りかざすSUGIZO。そのメッセージをさらにサウンドに込めZeppに響かせていく。

 トレモロアームを持ったままギターを掻き毟るSUGIZOと、グラインダーを使用し火花を飛ばす、よしうらけんじの姿が印象的だった「Decaying」、続いての「禊」と凄まじいエネルギーが詰まった高密度な空間が続いていく。ライヴによって音源からさらに進化していく、そんな感覚を与えてくれた瞬間。第1部ラストは「TELL ME WHY?」を投下。鎖のように繋がるシンセが躍動感を司り、そこに魂の叫びとも言えるようなSUGIZOの声とギター。トランス状態へ導く中毒性の高いナンバーで1部を締めくくった。

ゲストを招き『ONENESS M』楽曲を3曲披露

SUGIZO&ToshI(撮影=田辺佳子)

 第2部では11月29日にリリースされたソロアルバム『ONENESS M』から3曲披露。まずはLUNA SEAのヴォーカリストであるRYUICHIを招き、アルバムの1曲目を飾った「永遠」を披露。RYUICHIの包み込むような低音と伸びやかな歌声で、彼にしか出せない唯一無二の世界観を作り上げる。時折見せるファルセット(裏声)は官能的に響いた。SUGIZOは演奏が終了すると「一緒にバンドをやっていて心から良かったと思う」と語った。

 続いては「20年来の心の戦友であり親友」だと紹介し清春が登場。RYUICHIとはまた違った妖艶な雰囲気を纏った空気感。披露したのは2003年にリリースされたアルバム『C:LEAR』に収録の「VOICE」。SUGIZOがソロ作品の歌モノの中でも最も気に入っている曲で、いずれ圧倒的な歌唱力のヴォーカリストに歌ってほしいな考えていたという1曲。清春のエナジーに満ちた声はSUGIZOのギターと呼応し、一つのサウンドとなって飛び込んでくる。ステージ中央で接近し対話するかのように紡ぐ2人の姿は、圧倒的な存在感を放っていた。

 最後のゲストはX JAPANのToshl。SUGIZOは「心から敬愛する日本の国宝」と紹介しToshlがステージに。Toshlが一度声を上げると、会場全体の熱気が一気に上昇。SUGIZOも「気合入れてけ!」とシャウトを見せる。「SUGIZOとToshlの愛の結晶を聴いてくれ」と「PHOENIX 〜HINOTORI〜」に突入。圧巻のロックヴォイスがZeppを震撼させていく。アグレッシブなサウンドと調和したToshlの歌はまさに無敵、不死鳥を感じさせるパフォーマンスにオーディエンスも拳を振り上げ盛り上がった。

この命尽きるまで全霊で音楽に邁進

ライブのもよう(撮影=田辺佳子)

 この日にしか見ることができないスペシャルなゲストコーナーを終え、SUGIZOは「みんながいるから20年もこの世界で生きながらえています。成功も挫折も、栄光も絶望も全てを経験した20年、私生活はボロボロだったけど、音楽を作っている時だけは救われた、そういう時期がありました。心から音楽に感謝します。その音楽の先にはみんながいて、みんなの存在を感じたくて、そのエネルギーに引っ張られてここまで生きてきました...」と20年を振り返った。

 さらに「みんなはこのスタイルの音楽、表現を求めてくれた同志、同じ種族だと思っています。生きている限り永遠の仲間だと思わせてください」と想いを告げ、「今この世界にいることは奇跡だと思っていて、まだ命がある、音を出せるのだとすれば、この命尽きるまで全霊で音楽に邁進していきたいと思います」と決意を語った。

 そして、12月20日にリリース予定のLUNA SEAのニューアルバム『LUV』が完成した報告と、現在進行中のX JAPANのアルバムについても言及。SUGIZOパートは全て完了し、残すはトラックダウン(TD)だけだと話す。通常のアーティストのTDは10日前後、SUGIZOは1カ月半から3カ月、ただ、X JAPANのTDはどれくらいかかるかは未知数だと話すSUGIZO。「1年かもしれないし、10年かもしれない(苦笑)…でも必ず皆さんの元へ届けます」と約束。

 ヘヴィなサウンドとファンキーなグルーヴがボルテージをマックスまで高めた「DO-FUNK DANCE」、ラストはピアノにMAIKOと再びモジュラーシンセ奏者HATAKENを呼び込み、波の音をバックにSUGIZOのヴァイオリンの音色で紡いだ「The Voyage Home」へ。母なる海の包容力を感じさせる、燃えたぎった心を落ち着かせるような、チルアウトした空間が広がるなかライヴの幕は閉じた。

SUGIZO&清春(撮影=田辺佳子)
ライブのもよう(撮影=田辺佳子)
ライブのもよう(撮影=田辺佳子)
SUGIZO&ToshI(撮影=田辺佳子)
SUGIZO&RYUICHI(撮影=田辺佳子)
SUGIZO(撮影=田辺佳子)

セットリスト

第1部

01.IRA
02.THE CAGE
03.MESSIAH
04.NEO COSMOSCAPE
05.ARC MOON
06.FATIMA
07.Lux Aeterna
08.ENOLA GAY RELOADED
09.Decaying
10.禊
11.TELL ME WHY?

第2部

12.永遠 feat.RYUICHI
13.VOICE feat.清春
14.PHOENIX 〜HINOTORI〜 feat. Toshl
15.DO-FUNK DANCE
16.The Voyage Home