経団連が「副業・兼業」容認に方針転換すると報じられ、注目が集まっている。

経団連が方針を転換へ

経団連が「副業・兼業」の容認に向けて、各社に検討を促す方針だと産経新聞が報じている。

経団連はこれまで、副業・兼業には社会保険料や雇用保険料の負担、労働時間の管理など整理すべき課題が多いと指摘し、長時間労働の是正など働き方改革に取り組んでいる状況で副業・兼業を推奨するのはやや抵抗があると慎重な姿勢を見せていた。

しかし、政府の進める制度改正を受けて方針を転換へ。来年初めに方針を決定し、会員企業に示すという。

「所得の増加」「社外の知識獲得」などメリット

政府は、副業や兼業は新たな技術の開発、オープンイノベーションや起業の手段、第2の人生の準備として有効だという見解を示している。

労働者は「主体的なキャリアの形成」や「自己実現の追及」「所得の増加」「働きながら将来の起業や転職に向けて準備すること」等が可能に。企業にとっても、「社外の知識を取り込めること」や、「優秀な人材の獲得・流出防止による競争力向上」「生産性向上」と言った期待できる。

副業を解禁したクラウドワークスでは、正社員の約1割が個人事業主として副業をしており、従業員の約6割が生産性が向上したと回答している。

「モデル就業規則」改定を提言

しかし厚労省の資料によると、副業を希望している人は年々増加傾向にあるが、副業をしている就業者は減少傾向にあるという。85.3%の企業が「本業がおろそかになる」「情報漏洩のリスク」などを懸念し、副業を認めていない。

出典:「厚生労働省」資料

また、法的な規制はないが、厚労省が示している「モデル就業規則」の労働者の順守事項に「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」という規定があり、副業・兼業は原則禁止とされている。

政府は副業・兼業の推進に向けて、「モデル就業規則」の改定を検討。厚労省は11月、同規定を削除し、「労働者は勤務時間外において他の会社等の業務に従事することができる」という規定を新設する案を提示した。

ネット上には戸惑う声も

経団連の方針転換を受けて、ネット上には「良い流れ」「才ある人の活躍の場が増える」など賛成する声が寄せられている。

一方でこんな意見も。

「残業より過酷」「副業にあてる時間はない」など戸惑う声もあった。厚労省も、副業にはさまざまなメリットがあるが、就業時間が長くなり労働者自身による時間や健康の管理が一定程度必要になることなどが留意点だと指摘している。