かつての価格競争から一転、味やエンタメ性で絶大な人気を獲得している “国民食” 回転寿司。この激変の業界を本格寿司の職人たちはどう見るか? 現場まで足を運び、5大チェーンの定番ネタ、「マグロ」を食べ比べてもらった!

 今回、集まってもらったのは以下の3人。江戸期から続く老舗の板前である橋本裕美さん(67)、上野の一流店のオーナー・山下栄士さん(50)、さらには秋葉原で話題の女性職人のみの寿司屋の店長、千津井由貴さん(31)だ。

スシロー 7点(ネタの重さ11g「今どきの新基準」)

「あっさりしていながら、甘みが強い。これが今どきの若い人の『おいしい』の基準なんでしょうね」と若手代表の千津井さんに、隣で人気店店主の山下さんもうなずく。
 ベテラン職人の橋本さんは、「しっかり歯ごたえがある」と高評価。

くら寿司 7点(ネタの重さ18g「本格寿司級の味」)

「マグロの味は控えめで、シャリが勝っている印象です」という千津井さんの意見に、「たしかに、酸味が強い」と山下さん。「ネタも大きいし、カウンターの寿司屋で食べられるマグロに近いよ」と橋本さんは太鼓判を押した。

はま寿司 6点(ネタの重さ9g「濃厚で若者向け」)

 橋本さんは、「少し水っぽいかな」。
 一方、「脂の味がちょっと重い。若いコにはいいと思います」と山下さんが言うとおり、千津井さんが高評価。
「シャリも甘めですし、濃厚。脂が乗っていてトロっぽい。炙ればもっとおいしくなりそう」

かっぱ寿司 9点(ネタの重さ8g「小ぶりでしっとり」)

「粘りがありますし、しっとりしていますね」(山下さん)
「シャリとネタがまとまっていて、食べやすいです」(千津井さん)
「切り身が小さいわりには、柔らかくて味もいいと思います」(橋本さん)と、3人とも感心した様子。

●魚米 7点(ネタの重さ16g「嬉しいボリューム」)

「身がちょっと伸びている。同じ赤身でも尾や腹では味の差も生じやすいからね」(橋本さん)
「渋谷センタ ー街にも店がありますよね。若者には嬉しいボリュームですね」(千津井さん)
「普通においしく食べられますね」(山下さん)

橋本裕美さん
現存する最古の江戸前寿司店、銀座すし栄で腕を振るう職人歴50年近い大ベテラン。息子2人も寿司職人

山下栄士さん
20代で独立。寿司激戦区の上野で、高級店として知られる英多郎寿司を一代で築く。某社のCMでも腕前を披露している

千津井由貴さん
女子美大卒。2010年開業のなでしこ寿司店長。たしかな技術と知識で、メディア出演も多い

※大手5社のテイクアウト商品を試食した。メニューや購入時間、運搬条件は可能なかぎり統一し、点数は、3人の職人の順位づけをもとに、編集部が数値化したもの

(週刊FLASH 2017年11月21日号)