ハリルホジッチ監督率いる日本代表の勝利を信じていたという藤田氏だが、期待は見事に裏切られた。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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[E-1選手権]日本1-4韓国/12月16日/味スタ
 
 東アジアの王者を決めるE-1選手権で、日本は最終戦で韓国に敗れ、2大会ぶりのタイトルを逃した。
 
 イギリスのリーズの地でひとりテレビ観戦していたが、驚きとともに、このニュースを受け止めていた。リーズのスタッフにそのことを伝えても興味を示さないのは当然として、こちらのメディアでは、「JAPAN」と「KOREA」の伝統の一戦は、残念ながら、結果すら流されることもない。

 
 しかし、ただ敗れただけでの話ではない。1対4というスコアは衝撃的だった。韓国相手に4失点を喫したのは、じつに38年ぶりのことらしい。ハリルホジッチ体制になって、最多の失点数となる。まさに歴史的大敗となってしまった後には、ワールドカップで勝つことなんて夢のまた夢のように思えてしまう。おそらく勝つだろうと予想していた僕の見立ては甘かった。ハリルホジッチ監督に対しても、Jリーグ組に対しても「やってくれるはずだ!」という思いを寄せていただけに、あまりにショックが大きく言葉にならない。
 
 あらためて韓国戦の内容に触れる必要もないだろうが、開始3分にPKで先制しながら、その後は防戦一方の展開へ。リードしているはずの日本が、ホームというアドバンテージを受けながら、韓国に攻守両面で圧倒された。「ショートカウンター」が生命線であるハリルホジッチサッカーの基本戦術において、「高い位置からのボール奪取」をベースとしたディフェンスがまったく通用せず、逆転負けを喫した。これを完敗と言わずしてなんと言うのだろう。
 
 今回の韓国戦は、半年後のワールドカップを占ううえで絶好のチャンスだと考えていた。タイトルをかけたプレッシャーのかかるなかで、ライバル韓国と真剣勝負の舞台を迎えた。しかもワールドカップのメンバー入りがかかっている状況にあったのだから、激しくファイトし、アピールしなければならないはずが……、パスをつなぐこともできなければ、相手にプレッシャーをかけてボールを奪うこともできなかった。
 
 アグレッシブさが売りの中村航輔もどこか消極的に見えた。小林悠や井手口陽介だって、もっと違いを作り出すプレーでファイトできたはずだし、キャプテンマークをつけた昌子源は相手の1トップに自由を与え過ぎてしまった。チーム最年長の今野泰幸を含め、チームを支えなければいけない立場にある選手が、なぜあんなに受け身になってプレーしていたのか。ホームゲームであるのに。厳しい言い方だけど、日の丸戦士としての“面構え”をしていた選手がいなかったのが、本当に残念でならない。
 
 大敗を喫したのだから収穫もゼロ。“予行演習”の舞台でチャンスを掴むことができず、むしろその評価を落とす結果となったのだから、ワールドカップのメンバー入りへ向けて合格点を与えられる選手はいない。それは、チームを勝利に導けなかったハリルホジッチ監督にも当てはまる。
 
 繰り返しになるけれど、今回の大会でタイトルを逃し、そのうえ、ライバル韓国との一戦で歴史的な敗北を喫した。お互いに海外組不在のなかで臨み、Kリーグ選抜とJリーグ選抜といった感じの戦いとなったが、現状のベストメンバーで戦ったという事実は変わらない。いくらワールドカップ出場へと導いた功績を差し引いたとしても、この試合に関しては言い訳などできない。いまの状況をヨーロッパのプロクラブのスタンダードに照らし合わせれば、おそらくハリルホジッチ監督は解任となってしかるべきだろう。
 
 なかでもビッグクラブの監督は、さらにシビアな目を向けられる。最近で言えば、ドルトムントのピーター・ボスがいい例だ。アヤックスを昨季のヨーロッパリーグで準優勝へと躍進させた実績を買われ、今季からドルトムントへと移籍してきた。スタートダッシュに成功したものの、チャンピオンズ・リーグでグループリーグ敗退を喫し、さらに国内リーグでも失速し出した途端、フロントからあっさりと見切りをつけられた。レスターのクラウディオ・ラニエリだってそうだ。“降格候補”で臨んだ一昨年のプレミアリーグ初優勝に導いたにもかかわらず、1シーズンいっぱいの猶予すら与えられずに、クラブから解任を言い渡されている。