パスの出し手が活かし切れないのであれば、出し手がいない中での攻撃の形を追求すべきで、今回の大会では出し手の発掘にもチャレンジしていたと思います。最終的に強烈なインパクトを与えられたのは、サイドを駆け上がる伊藤純也選手だけでした。
 守備に関してはやるべきこと、やろうとしていることは観ているひとに伝わり出していると思います。次の段階を求めていく時期に来たと思いますので、残りの半年でそのあたりが、みなさんの期待を上回ることを切に願います。
 
 ただ攻撃については、形がはっきり見えていません。カウンター! というのはよく伝わってきました。それは守備からのカウンターであって、リアクションになります。あくまでアクションの攻撃の形をこの半年ではっきりさせて、ワールドカップでも1点をもぎ取れるようにしてほしいです。
 
 あとは雑談としまして、セットプレーの話題が多く上がっているように感じます。韓国戦でも一度チャンスを作っていました。とかくキッカー、キッカーと言われがちですが、いまの代表のキッカーのレベルでもチャンスは生まれるわけです。明確なターゲットを決めるなどチームとしてのセットプレーの精度を上げていければ、面白くなってくると思います。
 
 この大会は国内組だけで臨んでいたので、彼らの大活躍を期待しましたが、コンセプトの理解が不十分な中での戦いとなってしまい、本当に難しかったと思います。Jリーグのレベルが低いように取られているようで、悔しかったです。
 
 また来年、Jリーグで頑張っても代表で輝ける! というところを見せてほしいですね。
 
<了>
 
橋本英郎

【日本代表PHOTO】E-1選手権・第3戦の韓国戦。4失点の惨敗で優勝ならず…

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PROFILE
はしもと・ひでお/19795月21日生まれ、大阪府大阪市出身。ガンバ大阪の下部組織で才能を育まれ、1998年にトップ昇格。練習生からプロ契約を勝ち取り、やがて不動のボランチとして君臨し、J1初制覇やアジア制覇など西野朗体制下の黄金期を支えた。府内屈指の進学校・天王寺高校から大阪市立大学に一般入試で合格し、卒業した秀才。G大阪を2011年に退団したのちは、ヴィッセル神戸、セレッソ大阪、長野パルセイロでプレーし、今季から東京ヴェルディに籍を置く。日本代表はイビチャ・オシム政権下で重宝され、国際Aマッチ・15試合に出場した。現在はJリーガーとして奮闘する傍ら、サッカースクールの主宰やヨガチャリティー開催など幅広く活動中。Jリーグ通算/434試合・21得点(うちJ1は339試合・19得点/2017年12月17日現在)。173センチ・68キロ。血液型O型。
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