前線で奮闘した小林だが、その個性が周囲によって活かされることはなかった。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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 E-1サッカー選手権を戦った日本代表は準優勝に終わりました。個人的に、やっぱり日韓戦は特別。そんななか、土曜日の試合を観て、本当に残念でした。
 
 いろいろ思うところはみなさんあると思いますが、はたしてなにに照準を絞って書こうかと、僕なりに考えました。守備と攻撃──。それって全部やん! って声が聞こえてきそうですが、大きくその2つに分けて戦術を考察してみます。
 
 まずは守備。代表チームのコンセプトとして考えているように感じたのは、相手にボールを「持たれる」ことを「持たせている」と捉えていた点です。ワールドカップ最終予選のオーストラリア戦から続く守備戦術の練度や精度の向上、また、この大会では最終ラインに新戦力を発掘しようという意図が感じられました。チームが求める戦術をしっかり体現できる、プラスαを見せられる選手を探しているようでした。
 
 ポイントとしては3つ。
 
 最初はプレスの掛け方。これは統一されているぶん、無闇やたらにボールホルダーへチャレンジしないという点が、この日は悪く映ってしまいました。
 
 次に、マンツーマン気味の守備布陣。韓国はしっかり内側を締めることで相手の攻撃に対応していましたが、日本は長いレンジのグラウンダーのパスも通されていました。この点はゲームを通して大きな差になっていたように感じます。マンツーマン気味に付くことで個々の対応では近くでマークできますが、一枚はがされた時の距離感が遠く、次のフォローに行った選手も後手に回り、かわされてしまう。また、カバーに行った選手が本来付くべきマークをフリーにしてしまうなど、悪循環に陥っていました。
 
 3つ目は、デュエル、デュエル、デュエル。この点はやはり、日本人の得意ではない部分だと思います。テレビ中継の中でもその勝率が出ていましたが、圧倒的に負け越していました。考え方次第で、デュエルで負けていても勝てる試合はあると思います。そちらを目ざすのか、その勝率をもっと上げないと勝てないと思って上げていくのか。重要な岐路に立たされているのかなと感じました。
 
 3つのポイントを挙げましたが、それらの精度を上げるのか、多少やり方を変えるのかが今後に向けて難しいところだと思います。欧州遠征と今回のE-1選手権で突きつけられた課題ですね。
 では、攻撃面に話を移しましょう。
 
 こちらは項目を挙げるというより、点の取り方を知っている選手がどれだけスタメンで起用されているかが大きいなと感じました。
 
 例えば1戦目の北朝鮮戦。前線の小林悠選手の動きに反応している選手が少なかった。彼がパスの出し手、あるいは受け手になった際、逆の役割をこなせる選手がおらず、小林選手の相手にとって危険なチャレンジは活かせないままでしたね。
 
 一方で川又堅碁選手の場合、クロスからヘディング、または相手選手を背負っている状況でボールを付けるなど、シンプルで、相手チームは分かっていても対応し切れていませんでした。その意味では精度の高いクロスを入れたり、ポストプレーを上手く活用していけば点に繋がることが、今回の大会を通して理解できました。
 
 もしかしたらそうしたところに、攻撃のヒントが落ちているのではないでしょうか。現在の攻撃の形はどちらかと言えば曖昧です。相手が分かっていても止められない、そんなプレーが具現化できるならば、それを優先すべき状況になってきていると思います。本来、小林選手のような細かい駆け引きに長け、相手が引いた中でも点が取れる、点を取る方法を知る選手を置くべきです。