選手にデュエルを求めるハリルホジッチ監督は、海外組を重視している。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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 国内組とは、何だろうか――。その存在と難しさを改めて考えさせられた韓国戦だった。
 
 国内組、海外組と分けられ、代表チームに置けるポジションの違いが注目されるようになったのは、ジーコが監督になってからだ。
 
 2002年の日韓W杯をベスト16という結果で終え、その恩恵を受けて多くの選手が海外に飛び出し、また元々プレーしていた海外組はさらに活躍していった。ジーコは異文化の中で生活して戦うタフさを求められる海外組に自らの現役時代の姿を重ね、プレー的にも日常的に高いレベルのサッカーに触れ、外国人と違和感なく戦える海外組を重宝したのだ。
 
 その結果、代表内にヒエラルキーが生まれた。海外組は常に尊重され、優遇されるようになった。W杯予選前、国内組だけで合宿をこなし、良い内容で終えても、いざ試合となると2日前に合流した海外組がレギュラーポジションを占めた。
 
 コンディションを落とした海外組が動けず、シンガポール戦のように大苦戦した試合もあった。しかし、それでもジーコの中の序列は最後まで変わらなかった。国内組は、海外組の穴を埋める存在でしかなかったのだ。
 
 ザッケローニの時代も基本的にはそうだった。
 
 もっとも本田圭佑、香川真司、長友佑都ら欧州のビックラブに籍を置き、活躍している選手が多かっただけに実力的にも納得できる状況だった。本田ら海外組を軸に選手を固定して作られたチームの完成度は非常に高かった。

 だが、ブラジルW杯の1年前、韓国での東アジア選手権で国内組が発奮し、優勝してから少し変化が生じた。結果を出したことをザックが重視し、そこで活躍した柿谷曜一郎、山口蛍、森重真人らを代表メンバーに招集し、海外組の選手たちと融合させていったのだ。
 
 ハリルホジッチも海外組を重視している。
 
 選手にデュエルを求めているので、欧州で身体の強い選手と常に対峙し、その圧に慣れている海外組は、それだけでアドバンテージになっている。例外的に国内組で山口蛍、井手口陽介が試合出場できているのは、彼らが海外組並みにインテンシティが高く、フィジカルが強いという特長があるからだ。

 今大会、ハリルは見てみたい国内組の選手を招集した。合格ポイントは、チーム戦術を理解してピッチ上で遂行できるか。個の力を発揮して結果を出せるか。良い意味で監督の期待を裏切ることができるか、だ。
 北朝鮮戦、中国戦は結果が出て、そこで活躍した中村航輔、伊東純也、小林悠、今野泰幸らの名前を上げ、ロシアW杯メンバーにつながる期待をハリルは示した。
 
 だが、韓国戦に1-4で敗れると、相手国を賞賛し、「なぜ守備が崩壊したのか分からない」と、敗戦の責任を選手に押し付けるような掌返しを見せた。本来であれば逆転された時点、あるいは1-3で終えた前半が終わった後、しかるべき対応をし、状況を変えることが必要だったが、ハリルはベンチに座り、動かなかった。
 
 こうした監督の言動を見ていると、最初から国内組にはそれほど期待していなかったのではないか。そんな気さえしてしまう。結局は海外組がいないとチームにならない。それを証明したかったのではないかと穿った見方さえできてしまう。それほど、ハリルに熱がなかった。
 
 一方、選手たちも韓国戦は気持ちもプレーも完全に相手にのまれていた。今野は「嫌な流れを断ち切れなかった」と言ったが、試合中に悪い流れを変えるのは、経験がある選手や海外組がいたとしても難しい。ただ、そうだとしてもあまりにも抵抗感がなく、淡泊なプレーが多かった。
 
 そんな選手の姿を見ていると、単純に力負けした部分もあるが、力を出し切れなかった外的な要因も少なからずあったように思える。