箱根ターンパイクに続き、R34 スカイライン GTターボで芦ノ湖沿いの山坂道から御殿場方面に抜けていきます。

低中速でタイトなワインディングが多いので、多年式多走行車には厳しいステージかと思いきや、さにあらず。ステアリング、アクセル、ブレーキに至る全ての操作でクルマに負荷がかかるため、ブッシュやマウント類の経年劣化を打ち消してくれます。

FRの素直な挙動やMT操作と相まって、ハンドリングは「ファン」の一言に付きます! ヘアピンカーブ(古っ)でも軽快な動きで内側に切り込んでいきますし、ヒール&トゥをちょいちょいかましながら、コーナー出口から軽くダッシュをかけるのもまた楽し。

低中速域でもクルマが小技を受け止めて、思い通りに動いてくれるので、本当に爽快なドライブをエンジョイすることができました。

一般道の山坂道は車線が狭いところが多いですが、R34スカイラインのサイズだと気にせずに走れるのが良いですね。とにかく走りが楽しいものだから、御殿場から山中湖に出てからも、道志を抜けて山坂道のドライブを堪能。更に25年間保有した愛車R32に近い運転感覚が懐かしいこともあって、結局高速を使わずに一般道で都下の自宅まで走ってしまいました。

R34 スカイライン GTターボの走りに夢中になり過ぎて、使い勝手に関するレポートを後回しにしてましたネ。

フロントシートは純正でしたが、腰痛持ちの筆者が長時間運転しても大丈夫。直座位置は、現在の腰高水準と比較すると低めでスポーティ。セダン派生らしく、頭上空間も適度に備わっています。

注目はリアの居住性です。R32では「さすがに狭すぎ」と苦言が出たため、R33でホイールベースを伸ばして改善したら、今度は「スタイルが落ち着き過ぎ」と評されてしまいました。R34ではホイールベースを縮めるも、R33と同等の必要十分なリア居住性を確保しています。

実際にR34のリアシートに座ってかつての愛車R32と比較すると、頭上空間と足元、特に足元が大きく改善されていることがわかります。もっともR34が広いというよりも、やはりR32が狭すぎでしたネ。トランクも高いデッキのおかげで過不足のない容積を確保。R34はファミリーユースでも必要にして充分なユーティリティを備えているクルマでした。

今回試乗したR34 スカイライン GTターボで、今回ふたつの気づきがありました。

1つ目は「アクセルオンの走りの楽しさ」についてです。最近のエコカーは、アクセルオフで燃料を使わない走り方がキモ。一方R34スカイラインGTターボは、アクセルオンでパワーを掛けると、クルマ全体が躍動して真価を発揮するのですから、全く真逆なのですネ。

今回の試乗は、走行距離467.8kmでハイオク指定の燃費は8.9km/l。もちろん、この燃費でも大満足ですヨ。なにしろ筆者は運転しながら「エコカーとは違うのだよ、エコカーとは!」と口走っておりましたから。

2つ目は、「スカイラインのアイデンティティ」についてです。スカイラインの生みの親、桜井眞一郎氏は、「スカイラインは、”スポーティとファミリー”をバランスさせたクルマ」であると語っています。

思い起こすとスカイラインは、”走り好きなお父さんとお出かけ好きな家族”のためのクルマでした。そう考えると、R32は走りを優先しすぎたし、R33はファミリー志向に戻し過ぎました。R34はファミリー要素を必要十分なレベルを確保するとともに、走りでは高剛性ボディを採用して”お父さん”が唸るような走行性能を実現していたのです。

こうして見ると、R34スカイラインは、まさに”スカイラインのアイデンティティ”の真髄を極めたようなクルマだったことがわかります。残念なのは、現役当時はマイナス要因が重なったこと。発売時はバブル崩壊で景気総崩れとなり、高額なスポーティセダン市場が一気に縮小。更に欧州プレミアムセダンと渡り合うには、デザインも質感も地味過ぎて販売低迷。駄目押しは、日産の倒産クライシス……。

そのためR34スカイラインは、約3年という異例の短寿命となってしまいました。

それにつけてもR34スカイラインGTターボは、18万キロ超えでこれだけの走りを披露するのですから、新車時にはいったいどれだけのポテンシャルを備えていたのでしょう。FRのR34GTターボはGT-Rの影に隠れて地味な存在でしたが、スカイライン60周年の年に出会えて良かったです。

今こそ日本には、R34スカイラインのような身近なFR車が求められているのではないかと、切に実感した次第です!

(星崎 俊浩)

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