下限の数字は決まっているが小売り段階では異なる

 日本国内で販売されているガソリンには、レギュラーとハイオクの2種類があります。これは工業製品ということになるので、明確にJIS規格があります。オクタン価では、レギュラーガソリンは89以上、ハイオクガソリンが96以上ということになっています。

 ただ石油の小売り各社が販売しているガソリンでは、JIS規格を上まわる数値になっていて、レギュラーガソリンが90〜91、ハイオクガソリンが98〜100となっているようです。この数値はブランドによって、それぞれ違うようです。元のガソリンが同じでも、添加剤が加えられている場合もあります。

 ガソリンというのは混合物です。原油から蒸留したものなので、ブタン(C4H10)からデカン(C10H22)までの炭化水素が含まれています。そのうちのひとつがオクタン(C8H18)で、オクタン価の由来になっています。

 混合物なので、たとえば蒸発する時にも、蒸発しやすい物質と蒸発しにくい物質が混じっていますから、もし放置しておけば、その混合割合が変わって変質することになりますね。しかしガソリンスタンドの地下タンクの中で、それほど大量に蒸発することもないでしょう。だから、同じブランドであればガソリンスタンドによってオクタン価が違うということはないと思います。

 もちろん粗悪な格安ガソリンも、一部で販売されているようです。その場合は価格の安い灯油などを混ぜて水増ししているので、当然オクタン価も低くなります。オクタン価が低いとノッキングが発生しますが、現代のエンジンにはノッキングセンサーが取り付けられているので、点火時期を遅らせて対応できます。ただ点火時期を遅らせたことで、ノッキングは消えますが、効率が悪化するので、燃費は悪くなってしまいます。

 高効率を狙った高圧縮エンジンが増えているので、ノッキングは大きな問題になります。通常の走行領域でも点火時期を遅らせるような制御を行っているケースもあります。さらに真夏のような吸気温度が高くなる時期にはノッキングが出やすくなりますから、燃費が大幅に悪化するという症状が出る場合もあります。実際にテストしてみたところ、驚くほどの燃費悪化が見られたメーカーもありました。そういう意味ではオクタン価について、敏感になるような時代になっているのかもしれません。