Q:12年ぐらい前に一度、虫歯を全部治療しましたが、そのとき被せた義歯や詰め物が最近、二つ、三つと立て続けに外れてしまいました。ものを食べるのに不自由はないし虫歯もないので、そのままにしています。しかし、妻によると中高年は虫歯があっても痛くないとか。本当でしょうか。(62歳・自営業)

 A:ある患者さんから、「高齢になると、新たに虫歯ができることはないですよね」と言われ、驚いたことがあります。なるほど、子供のときは虫歯になりやすいのですが、成長するにつれ、歯はエナメル質がしっかりしたものとなり、象牙質を保護するので、虫歯になりにくくなります。
 しかし、大人が虫歯にならないわけではありません。以前に治療で詰め物をしたことがある歯は、人工物と元々の歯の間に凸凹ができます。その隙間に虫歯の細菌が入り込むことによって、虫歯ができることがあります。これは「二次う歯(虫歯)」と言われます。

●まずは歯科で受診を
 また、中高年になると一般に歯茎が下がってきます。歯茎が下がったところは、象牙質が露出し、エナメル質に守られません。いわば丸裸の状態であり、そのため歯の根元に虫歯ができやすくなります。これを「根面う蝕」と言います。
 中高年になると、痛みを感じなくても虫歯ができている恐れはあるわけです。サンスター財団が、全国の20〜69歳の男女3万8476人を対象に、2016年1月〜12月に行った「大人の虫歯実態」調査があります。
 このアンケートでは、虫歯がある人の74%が「歯が痛む・しみる」とは感じていないことが分かり、「年齢を重ねると虫歯に気づきにくくなるという傾向が明らかになった」と報告されています。
 ご質問の方の場合、10年以上前に治療をして被せた義歯や詰め物が取れてきたとのこと。もしもこの間、歯科医院で診てもらうことがなかったとしたら、虫歯ができているのではないでしょうか。
 まずは歯科医院で診てもらってください。健康で長生きするためには、歯はとても重要です。将来、総入れ歯にならないためにも、虫歯は今すぐに治療しておきましょう。

山田晶氏(歯科医師)
骨盤療法(ペルピックセラピー)で著名。日本歯科大学卒業。歯科の領域から骨盤のゆがみに着目。骨盤のゆがみを自分で取る方法として、腰回しの普及に努めている。やまだ治療院顧問。