日韓戦は韓国代表が4-1で勝利した【写真:Getty Images】

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ほとんど“2軍”に近い日本とは明確な差

 16日、E-1選手権最終戦で日本代表は韓国代表との試合に臨んだ。引き分け以上で日本の優勝が決まる一戦だったが、韓国がホームチームを圧倒。4-1で完勝した。日本から4得点を奪ったのは38年ぶり、1979年以来となる歴史的な一戦に、韓国メディアは沸き立っている。(文:キム・ドンヒョン)

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 韓国はジンクスを恐れていた。

 2010年5月24日、埼玉で行われた試合で2-0と勝利したのが、日韓戦最後の勝利だった。レジェンドであるパク・チソンがゴールを決め、まるでお散歩をするかのような余裕っぷりを見せたあの試合だ。

 ワールドカップの目前で宿敵の韓国に敗北、日本サッカー界を揺らしたあの試合以来、韓国は7年の間に行われた5試合の日韓戦で3分2敗と未勝利だった。マスコミもファンも「日本相手にはそろそろ無理なのではないか」という認識が広まるほどだった。近年の韓国は不安定さが露呈していただけにそうした懸念も無理もないものだった。

 そうした意味では、韓国にとってこのE-1選手権という大会は、今までの不名誉な成績のうっぷんを晴らす絶好のチャンスだった。韓国はキ・ソンヨン(スウォンジー)やソン・フンミン(トッテナム)、グ・ジャチョル(アウクスブルク)と言った顔ぶれは今回招集されていないものの、特に守備では本腰を入れていた。

 今回起用されたメンバーのほとんどは、ロシアW杯のレギュラーになる可能性が高い。FWのキム・シヌクもソン・フンミンの相棒として活躍するはずで、元G大阪のイ・グノもメンバー入りが有力だ。GK三人のうち、キム・ドンジュン(城南FC)以外の二人、キム・ジンヒョンやジョ・ヒョンウは既に当確といっても過言ではない。ほとんど2軍に近い日本のメンバーとは実績と華麗さに明らかな差があるのは確かだった。

 この理由で筆者は韓国が勝利を収めると確信していた。今大会の2試合でも韓国はいい試合をしながら結果だけが得られなかった。チーム全体の調子は上げつつあった。ある意味、日本戦に向けて選手全員のコンディションを整えているかのような印象もあった。

 韓国は北朝鮮戦直後、トレーニングをせず選手たちに休息の時間を与えた。余裕というよりは、選手たち自身が日本戦の重みを熟知していることのほうが大きかった。

「日本にはじゃんけんでも負けてはならん」

 恐ろしい言葉だが、それが韓国の底力なのかもしれない。

単なる勝利ではない。歴史変えた一戦

 そして予想通り、韓国は16日に味の素スタジアムでおこなわれた大会3戦目で日本に4-1の完勝を収めた。前半2分、小林悠(川崎F)にペナルティーキックを献上したが、それが最後のピンチだった。

 韓国の巨人、キム・シヌクが頭と足で二度も魅せた。4-1の勝利は1979年以来38年ぶりの大勝。試合が終わった直後から、現地で取材している韓国メディアは勝利の熱が込もった記事を韓国に送り込んだ。新たな歴史が生まれる瞬間だった。

 韓国はこの勝利で日韓戦の歴史を変えた。7年間のジンクスという悪夢は東京で幕を閉じることになった。単なる勝利ではない。日本に勝利したというのは大きい。

 以前で述べたように、韓国はここ1年で不安定な道のりを渡り歩いてきた。ウリ・シュティーリケ監督の解任劇、シン・テヨン監督の就任に至るまでのプロセスはお粗末なものだった。W杯出場も心配されていた。試合内容も批判の対象となった。

 11月に開催されたコロンビアやセルビアとの親善試合で1勝1分という成績を収めてようやく批判が少しずつおさまったとはいえ、日韓戦という火種は残っていた。もし負ければ監督解任劇が繰り返される可能性すら十分にあった。

 しかし韓国は勝った。当然解任の話はなしとなるだろう。いくら“2軍”とはいっても、日本は韓国にとって宿命のライバル。負けていたら言い訳に使われたはずの日本の戦力も、勝利後は何も必要ない。ただただ日本に勝ち、大会2連覇を果たしたという事実だけが韓国内に轟いている。ロシアワールドカップの準備を進める韓国代表へ2017年の最後に贈られた最高のプレゼントとなった。

(文:キム・ドンヒョン)

text by キム・ドンヒョン