慢性的なプログラマー不足が叫ばれる中、Appleはアメリカ・シカゴにある全ての公立学校の生徒にプログラミングを教えるための方策を進めることを明らかにしました。その背景には、AppleなどIT企業が直面する「多様性」の問題も存在しています。

Apple to teach coding to every Chicago public school student

https://www.usatoday.com/story/news/2017/12/12/apple-teach-every-chicago-public-school-student-code/942609001/

Appleのティム・クックCEOはアメリカの主要紙の一つである「USA TODAY」に対し、シカゴにある全ての公立学校にプログラミング学習の授業を提供するべく、地域の教育機関に対して資金面を含めた協力を行う方針を明らかにしました。その中でAppleは、同社が2016年に立ち上げたイニシアチブ「Everyone Can Code」を通じて生徒たちにプログラミング言語「Swift」を使ったコーディングの知識を教えることを目指しています。

Everyone Can Code - Apple(日本)

https://www.apple.com/jp/everyone-can-code/



この方針が定められた背景には、IT業界で慢性的にプログラマーが不足しているという状況に加え、そこで働く人が白人男性に偏っているという現状もある模様。Appleに限らず大手IT企業はいずれも同様の状況を抱えており、従業員の多様性を求める団体などから是正を求める声が挙がってきました。

今回Appleがシカゴを選んだのにもそんな背景が影響を及ぼしています。小学校から高校、短大あわせて45万人の生徒がいるシカゴはアメリカの中でも人種の多様性が高い地域で、幼稚園から高校までの「K-12」と呼ばれる教育機関にいる子どもたちの約84%が黒人またはヒスパニック系という統計が発表されています。

クック氏はこの方針について「受け身の状態で教育カリキュラムに関与し、『どのぐらいの女性やマイノリティがコーディングを学ぶかな?』と結果を待つという最悪の行動を取るのではなく、私たちはそれを支える必要があります。初等教育から高等教育にまで関与することで、多様性についての状況を根本的に変える必要があります」と語っています。



同様の取り組みはさまざまな団体によっても進められており、Code.orgやBlack Girls Code、Girls Who Codeなどの組織がコーディングを通じた多様性社会の改善に向けた取り組みを進めています。また、Googleも同様の取り組みをシカゴで進めており、ヒップホップアーティスト「Chance The Rapper」が立ち上げたSocialWorksに対して100万ドル(約1億1000万円)を、そしてシカゴの学校に50万ドル(約5500万円)を慈善団体であるGoogle.orgを通じて援助しています。

なお、今回Appleがどのような規模で取り組みを進めるかは不明です。