人工授精や体外受精の平均費用は約134万円 妊活費用、助成制度の利用件数が増加傾向

写真拡大 (全2枚)

 厚生労働省の調査によると、妊活の平均費用は約35万円で、特定不妊治療に限定すると約190万円以上を要した。助成制度はあるものの、経済的な負担は大きいようだ。

 厚生労働省が9月に発表した「平成28年(2016年)人口動態統計(確定数)」によると、2016年に生まれた子供の数(出生数)は97万6,978人で、1899年に統計をとり始めてからはじめて100万人を下回った。1940年代の出生数は200万人を上回っており、少子化が加速している様子が分かる。

 こうした状況の中、政府は不妊に悩む人を対象に特定治療支援事業を行っている。対象となるのは体外受精や顕微授精(以下、特定不妊治療)で、特定不妊治療以外の治療法では妊娠の見込みがないか極めて少ないと医師に診断された夫婦(治療期間の初日における妻の年齢が43歳未満)。給付されるのは特定不妊治療に要した費用の一部で、1回の治療につき15万円などとなっている。厚生労働省によると、平成25年度の助成のべ件数は14万8,659件で平成24年度の13万4,943件を上回ったほか、平成16年度の1万7,657件から大きく増えている。

 一方、株式会社CURUCURUが運営するサイト「妊活ボイス」は、10年以内に妊活経験のある20歳から49歳までの女性300名(妊活時の平均世帯年収約500万円)を対象に「妊活・不妊治療」に関するインターネット調査を実施し、その結果を12月5日に発表した。

 妊活全般にかかった費用を聞いたところ平均費用は約35万円で、人工授精・体外受精・顕微授精のいずれかを経験した人に限ると、平均費用は約134万円となった。さらに、不妊治療の中でも高額となる特定不妊治療の経験者に限定すると、平均費用は約193万円まで上昇し、300万円以上かかった人も16.1%に達した。

 特定不妊治療経験者に金銭的な事柄を聞くと、62.0%が「特定不妊治療に進むにあたり金銭面がネックになった」と回答。金銭面がネックになったと回答した人のうち53.3%が「特定不妊治療の料金が安ければもっと早く治療に進んだ」、35.6%が「特定不妊治療の料金が安ければ治療の回数が増えた」と回答している。

 また、妊活費用の捻出方法を複数回答で聞くと、「夫婦の収入・貯金」(56.0%)、「夫のみの収入・貯金」(23.7%)、「自分のみの収入・貯金」(20.0%)などが多く、「親などからの援助」は5.3%となった。

 不妊治療については一定の助成制度があるものの、妊活者の多くが妊活費用を自分たちの収入や貯蓄から捻出しており、大きな経済的な負担になっているようだ。

サイトウ イサム[著]、加藤 秀行[著]

【関連記事】
妊娠中の快適サポートグッズあれこれ らくちん枕やシートベルト、健診時の洋服など
9月の日本の総人口、前年同月比23万人減少 企業の45.7%が「人口減少は重要な経営課題」
30代と40代の約8割が「将来に不安を感じる」 一方で、貯蓄額は二極化「50万円以下」が53.7%
出生数が初めて100万人を下回る 一方、少子化対策「こども保険」の認知度は?
約9割の女性「結婚・出産後も働きたい」と回答も 家庭の役割分担は「家事」は女性、「収入」は男性