「このメンバーでやれるのは、ほんま特別なもんがあるね」

 ナインティナインの矢部浩之がそう言って表情を崩す。

 12月17日(日)深夜に放送された、テレビ朝日『やべっちF.C.(秘)SP!! 超豪華レジェンドとガチンコサッカー対決』の収録が都内某所で行なわれ、”黄金世代”の小野伸二稲本潤一、小笠原満男、本山雅志らをはじめ、Jリーグ王者となった川崎フロンターレの”顔”中村憲剛や、現在ポーランドでプレーする松井大輔が集結し、「Jレジェンド」を結成。矢部率いる「やべっちFC」と対戦したのだ。


『やべっちF.C.(秘)SP!! 超豪華レジェンドとガチンコサッカー対決』に出場した面々

 試合は、ともに点を奪い合う白熱した展開になった。そんな中、矢部は小笠原の密着マークを受けて大苦戦。「空気読めないよねぇ〜」とぼやきつつも、厳しいチェックをかいくぐってファインゴールを決めるシーンを再三見せた。互いに譲らぬ熱戦となった試合は大いに盛り上がったが、結果については日曜深夜の放送で楽しんでいただきたい。

 さて、その試合後、「Jレジェンド」のメンバーたちを直撃。先日、組み合わせが決まったロシアW杯について話を聞いた。かつて、日本代表メンバーとして奮闘し、W杯でも活躍した面々は、はたしてロシアW杯に挑むハリルジャパンについてどう見ているのだろうか。

 1998年フランス大会、2002年日韓共催大会、2006年ドイツ大会と、3度のW杯を経験している小野は、コロンビア、セネガル、ポーランドと同組となった組み合わせについて、「簡単じゃない」と厳しい表情を見せた。

「周囲から見たら、簡単そうに見える組み合わせでも、W杯に出てくるチームはどこも強い。簡単に勝てるチームはひとつもない。グループリーグ突破のカギは、やはり初戦でしょ。コロンビアをどう攻略できるか。そこで勝つことができれば、勢いに乗れる」

 稲本も「難しいグループに入ったと思う」と語って、小野の意見に同調する。

「初戦は大事。そこで勝ち点を得られると、クループリーグ突破の可能性が広がると思う。ただ、初戦の相手となるコロンビアは、日本が苦手にしているイメージがある南米のチーム。たとえ負けても、『まだ2戦ある』というメンタリティで戦えるかどうか。正直、そういう強さが今の代表チームには、もっと必要かな、と。先日(11月)のブラジル戦を見ていても、チームの成熟度とか、さらに高めなければいけないと思いました。そのためには、W杯までの間に選手個々がどう過ごすかが、とても重要になってくると思います」

 稲本も、2002年大会、2006年大会、2010年南アフリカ大会と3度のW杯に出場。そのうち、2002年大会、2010年大会ではグループリーグを突破している。その際、日本代表にはともに不可欠な存在があったという。

「グループリーグを突破した大会では、チームにベテラン選手がいて、チームを盛り上げてくれたおかげで、チームに一体感が生まれた。うまくいかないことがあったり、不穏な空気になったりしても、そういう選手を軸にしながら全員が同じ方向を向いて、そこから脱することができるようなチームを作り上げることができればいいかな、と思います。2006年大会のときは、初戦でショッキングな負け方をして、しかもベテラン選手がいなくて、チームとして戦うことがすごく難しくなったので……。

 今回は初戦のコロンビアが厳しい相手だけど、そこで勝てば逆に大きな自信を得られて、勢いに乗れる。そうして、グループリーグを突破して、ひとつでも上を目指してほしい」

 2010年大会で日本のグループリーグ突破に大いに貢献した松井は、ロシアW杯に臨む日本代表について、どう見ているのか。

「(世間では)なんか、余裕でグループリーグ突破みたいなことを言われていますけど、そんなことはない。4カ国、それぞれにチャンスがあるというだけで、かなり厳しい戦いになると思います。特に日本にとっては、最初のコロンビアがね……。南米チームとの初戦はすごく難しい。しかも、ポーランドも強いし……」

 現在、そのポーランドでプレーしている松井。同代表チームについてはこう語る。

「ポーランドは強いですよ。中盤の何人かは欧州のトップリーグでやっているし、前線にはレバンドフスキ(バイエルン/ドイツ)がいますから。フィジカルも強いですね。ただそこは、日本も海外でプレーしている選手が多いので、あまり心配はしていません。南アフリカ大会のとき、闘莉王が『俺たちは弱い』と言っていたけど、そういうことを自覚して、足もとを見つめて戦うことができれば、いい戦いができると思います」

 松井と同じく、2010年大会でグループリーグ突破を経験した中村も、「初戦がポイント」と語る。

「南アフリカ大会のときの代表は、大会前までは(メディアなどから)ボロカスに言われていたけど、初戦に勝った瞬間、風向きが一気に変わった。(周囲の反応など)『これほど変わるのか』というくらい、劇的に変わった。逆に初戦で負けていたら、全部負けていたと思う。

 今回は、4年前のブラジル大会のときと同じような組み合わせだけど、あのときは初戦のコートジボワール戦に負けて崩れてしまった。やっぱり、初戦を落とすと追い込まれてしまう。だから、初戦が大事でしょうね。とはいえ、初戦を落としたからといって、それで終わりじゃないということも忘れてはいけない」

 では、ロシアW杯で日本代表はどこまでいけるだろうか。

「それは、ふたを開けてみないとわからない。今のチームは、球際やハードワークなどがベースになっている。ボールを持ってどうこうとか、あうんの呼吸とかは、二の次。だから、メンバーもまだわからないし、実際に今も競争の真っ最中でしょ。来年の5月とか、そこに調子を合わせてきた選手がW杯に出るんじゃないかなと思うので、そのときになってみないと、チームの力がどうなるのか、わからない」(中村)

 とはいえ、W杯まであと半年しかない。日本がロシアW杯で存在感を示すためには、何が必要だろうか。中村が言う。

「選手が、どれだけ腹をくくれるか、でしょう。日本はまだ、世界に出て、そこで対等に戦える力はない。それを認識して戦うことが大切だと思います」

 はたして、ハリルジャパンはロシアW杯でどんな戦いを見せるのか。ここで話を聞いた選手たちの言葉の中に、上に行くためのヒントは隠されているような気がする。

◆放送案内
『やべっちF.C.は毎週日曜・深夜0時5分〜/テレビ朝日で放送

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