圧巻のパフォーマンスでMVPと得点王の2冠を獲得したキム・ユンミ(中央)。そのフィジカルはまさに規格外だった(写真右は日本の田中美南、左は北朝鮮の主将であるキム・ナムフィ)。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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[E-1選手権]日本 0-2 北朝鮮/2017年12月15日/フクアリ

 なでしこジャパンにとっては、完敗と認めざるを得ない決勝だった。
 
 東アジア1を決める女子E-1選手権は12月15日に最終日を迎え、日本女子代表は大会3連覇を狙う北朝鮮と対戦。攻守両面で相手のスピードとパワーに圧倒されながら、長く0-0の均衡を保ったものの終盤に力尽き、0-2の敗北を喫した。
【なでしこPHOTO】北朝鮮に攻守で圧倒され、3大会ぶりの優勝逃す…
 
 なかでも突出して存在感を示していたのが、65分に左足の豪快ミドルで先制ゴールを決めたFWキム・ユンミ。現在24歳のエースストライカーは、平均年齢が21歳の若きチームを前線からぐいぐいリードし、規格外のフィジカルで日本DF陣の脅威となった。なんと大会におけるチームの全5得点のうち4得点を叩き出し、文句なしでMVP&得点王の2冠を獲得している。
 
 女子サッカー界のワールドクラスから貴重なコメントを得ようと、試合後のミックスゾーンでは韓国メディアが待ち構えた。他の選手たちとともに足を止めることなく通り過ぎるキム・ユンミ。たった一言だけ、こう発したという。
 
「元帥様に喜びを差し上げることができて、嬉しいです」
 
 元帥様とはもちろん、北朝鮮のキム・ジョンウン朝鮮労働党委員長である。同委員長は大のサッカー好きで、世界有数の実力を誇るサッカー女子代表を事あるごとに称えている。過去2回の優勝時は凱旋帰国するチームを空港まで出迎え、盛大なセレモニーを開催したほど。これまでと同様なら、選手やスタッフは相応の報酬や生活面での手厚いサポートを得ることになるだろう。
 
 ライバルたちに付け入る隙を与えなかった女子代表チームに対して、2連敗中の男子代表チームは後がない。こちらは土曜日16時半キックオフの中国戦で勝利を挙げ、なんとか意地を見せたいところだ。