ぷち炎上した大家志津香さんのTweet

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◆北条かやの「炎上したくないのは、やまやまですが」【その8】

 10月、AKB48の大家志津香さんがツイッターで、

「メンバー同士で胸のサイズイジったり
 自分の胸のサイズ自虐したりはする事はあるけど
 握手会で胸の事イジってくるのとかは
 結構キモいよ!!笑」

 とツイートして、プチ炎上するという事案が起きた。同ツイートは12月現在で、7400件以上RT(リツイート)されており、ネットニュースの小ネタになった。 ファンというか外野からは、

「キモいという表現はいかがなものか」「握手会での、ちょっとした冗談への対応は『仕事の一環』でしょ」と怒り心頭気味の反応から、「よくぞ言ってくれた」と賛同するものまで、様々なリプが寄せられたようだ。

 ちなみに、こちらの記事(「AKB48・大家志津香さん「握手会で胸の事イジってくるのはキモい」投稿で激論に…ファンの発言はセクハラ?」2017年12月5日)によると、ファンの心無い発言でアイドルの就業意欲が低下したり、業務に専念できなくなったりした場合、たとえ些細な発言でも「セクハラ」になるらしい。

 弁護士の見解でも、アイドルの握手会で胸のことをイジるのは「立派な」セクハラということだ。

 いや、なんかもう、こういうの絶えませんよね。「会いにいけるアイドル」が当たり前になってから、ファンとのトラブルって続出している。

 2014年に起きた「AKB握手会傷害事件」のような、甚大なものから、こういう小さなセクハラ(いや、これも十分に悪質だが)まで、変奏曲のようにずっと繰り返されている。

 胸のことをいじってくるファンが「結構キモいよ!!笑」ってのは、大家さんの本音なんだろう。今はアイドル側もSNSをやっているから、気軽に「今日あった嫌なこと」を発言しやすい。

 もう2年前になるが、当時AKB48の人気メンバーだった島崎遥香さんが、「私のファンはキモい人ばかり」と発言して話題になったこともあったっけ(あれは確か、アイドルと直にチャットできる755というサービスで、「おやすみのチューして」とか「おやすみのギュッは?」などと語りかけてくるファンへ向けた発言だった)。

 私は以前から、AKB商法はキャバクラとほぼ同じシステムだと思っているが、それを18歳以上の女性ではなく、うら若いティーン・エイジャーにやらせている限り、深刻なセクハラはなくならないと思う。

◆各アイドルに「触れられたくない話題」を事前表明してもらえ!

 私が彼女たちを代表する気はないし、その資格もないが、あまりにもひどいので対処法を考えてみた。

 どうか怒らずに最後まで読んでほしいが、とりあえず握手会に際して、1人1人のアイドルに「触れられたくない話題」を表明してもらう必要があるんじゃなかろうか。

 それらを箇条書きにして、握手会場の目立つ場所に貼り出しておくのである。

 胸のサイズをイジられたくないA子さんは、「バストサイズのことは言わないで」。太ったとか痩せたとか、言わないでほしいB子さんは、「体重、体型についてはNG」。紙に書いて貼っておく。

 そうでもしなきゃ、ファンからのセクハラ発言はやまないと思うんですよ。

 心理学には「帰属のエラー」なる概念がある。人は、他人の発言を、外的要因(「アイドルだからニコニコしてくれてるんだな」)ではなく、内的要因(「心底うれしいと思っているからニコニコしてるんだな」)と勘違いしてしまうっていう、アレですね。

 セクハラ発言をしても、アイドルとファンという関係上、ニコニコと対応されるファンは勘違いしてしまう。「あ、胸のことをイジると、この子、喜んでる!」……で、最終的に「キモいよ!」と言われちゃう。握手会っていう「外的要因」があるから、ファンが全て悪いとも言い切れないけれど。

 つまり解決策としては、各アイドルが「言ってほしくないこと」を握手会のブースに貼り出すしかないわけです。言わなきゃ「帰属のエラー」によって、嫌なことも嫌だと伝えられないんだから。

 運営の皆さん、女の子たちがセクハラで嫌な思いをしないよう、どうか対処のほどよろしくお願いいたします。

<文・北条かや>

【北条かや】石川県出身。同志社大学社会学部卒業、京都大学大学院文学部研究科修士課程修了。自らのキャバクラ勤務経験をもとにした初著書『キャバ嬢の社会学』(星海社新書)で注目される。以後、執筆活動からTOKYO MX『モーニングCROSS』などのメディア出演まで、幅広く活躍。著書は『整形した女は幸せになっているのか』(星海社新書)、『本当は結婚したくないのだ症候群』(青春出版社)、『こじらせ女子の日常』(宝島社)。最新刊は『インターネットで死ぬということ』(イースト・プレス)。
公式ブログは「コスプレで女やってますけど」