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投資の確率を高めるのは様々な情報を収集する“情報武装力”。「億トレーダー」のサラリーマン投資家が教える「わらしべ長者」の情報活用術とは――。

■「もっと儲けたい」人の集まりで意見交換

おとぎ話の「わらしべ長者」をご存じの方も多いでしょう。ある男が1本の藁を元手に、物々交換をへて次第に高価なものを得ていく物語です。みかん、反物、馬と替えながら、ついには田畑と屋敷を持つ金持ちになります。

ここに投資家の行動原理があるのではないでしょうか。株の売買も、ある意味では交換です。少ない種銭を投資し、値上がりしたらキャピタルゲインを得るわけです。ただし最初から、サラリーマンにそれほど手持ちがあるわけではなく、1度の投資で得られる金額はそれほど多くはないでしょう。

しかし、個人の強みは時間を味方にできること。プロのデイトレーダーとは違い「今日中に何百万円取り戻さないと大変だ」ということはありません。しかも、給与という定期収入があるので生活に響かない金額で、根気よく続ければ、儲かる可能性が高くなります。

そこで必要になってくるのが“情報武装力”です。私が株式投資をはじめた頃は『会社四季報』で勝負銘柄を探しました。辞典ぐらいの大きさのこのデータブックには、上場企業すべての会社概要や財務情報、株価チャートといった詳細な情報が載っています。さらに、記者の独自取材に基づく会社評価や業績予想のコメントもヒントになります。

株に投資する際、私は次の5つの条件を満たしている銘柄を買うことにしています。すなわち、(1)配当金がある。(1)株主優待がある。(3)利益が増えている。(4)借金が少ない。(5)現在の株価位置──です。

もちろんいまは、気になる投資家のホームページやブログ、ツイッターをスマホで小まめにチェックしています。それだけでなく私は、そこにアクセスした人たちとのオフ会や著名投資家の講演会といったフェース・トゥ・フェースの場を大切にしてきました。

そこは、知識や知恵を仕入れるというよりも、それを交換する場です。そこに参加するのは、わざわざお金を払って「損をしたから取り戻したい」とか「もっと儲けたい」というモチベーションが高い人たちです。何人かに声を掛け、意見交換していると、相手から思いがけない拾い物が手に入ります。まさに「わらしべ長者」にほかなりません。

これを心理学では「返報性の法則」と呼んでいます。人は他人からプレゼントを貰ったとき「お返しをしなくては申し訳ない」といった気持ちになるという心理作用です。おそらく、情報交換にも多分にそうした側面があるのでしょう。

■応募や取得に手数料がかからないIPO投資

私を“億トレーダー”に変えたのはIPO投資でした。IPOとは、未上場企業が、新規に株式を証券取引所に上場し、投資家に株式を取得させることで、そのときの公募価格は割安に設定されることが多いのです。すると、市場で最初につく株価、つまり初値が公募価格より高くなるケースがあります。その後もとりあえずの利食いやベンチャーキャピタルの売りが終了することで、株価が上昇しやすいのです。

とはいえ、それだけの好条件の株ですから、人気も高く、多くの場合は抽選ということになります。ただ、抽選に当たろうが外れようが、手数料は一切かかりません。しかし、それでは無料の宝くじのようなもので、なかなか当選しません。そこで、証券会社とのつき合い方が大切になります。それによって、IPO株が入手しやすくなることがあるからです。

会社の上場は、複数の幹事証券会社と相談しながら進めますが、やはり主幹事証券会社にIPO株が最も多く割り振られます。取得の基本は、主幹事証券会社に申し込むこと。日頃から、そこが推奨する投資信託を買うなど、「返報性の法則」の活用として証券マンのノルマに協力しておくのもいいでしょう。きっと、有利なIPOの新規情報などを提供してくれるはずです。

一方で、いらない情報や投資の邪魔になるニュースも間違いなくあります。例えば、メールとかDMで勝手に送りつけてくるものは要注意です。完全に広告であり、何が何でも買わせるためのものですから無視しても問題はありません。

■最低と最高、2つの目標を立て投資する

ブログなどでも、私はやたらとアフィリエイトがベタベタと貼ってあるものは苦手です。情報発信が目的なのか、広告に誘導して稼ぐのが狙いなのかはっきりしないので、そこはやはり「君子危うきに近寄らず」が賢明です。

有料の投資セミナーもそうです。もし「参加してみよう」と思ったとしても、初回は見送ったほうが無難でしょう。その講師が何回か講演していれば、ネットでセミナー検索をしてみると、誰かが必ず評判を書き込んでいるものです。それを読んで比較検討し、自分の投資スタイルに合うと思うセミナーを選んでください。

おそらく、そうこうするうちに、投資における“メンター”、つまり指南役が見つかるはずです。何もカリスマである必要はありません。その人が推奨する銘柄がどんな値動きをするのかチェックしていると、信頼できる先輩投資家に出会えるものです。

とはいえ私自身、これまでに何度か大やけどをしたことがあります。銀行の再編・統合が進みはじめた頃でしたが、ある都銀の株に惚れ込んで買ったのですが、ドンドン下がり、多額の含み損を抱え込み、なかなか損切りができませんでした。実は、このときにIPO株に救われました。

株式投資をしていると、相場の山や谷にぶつかることは避けられません。アベノミクスとか間近に迫った東京オリンピックは山かもしれませんが、少し前ならリーマンショックや東日本大震災後の大幅な谷もありました。そこでの投資ミスは多額の授業料を払うことにつながりますが、そのときは「いい勉強をした」と考えるべきです。

私が提案したいのは「目標を立てて投資をしよう」ということです。私は10年間で2億円稼ぎましたが、目標というものは、低すぎると簡単に達成でき、高すぎるとモチベーションが続きません。したがって、ちょうどいい水準が求められるのですが、それがむずかしければ、最低ラインと最高ライン、2つの目標を立てるのが理想的でしょう。そのためにも、小まめな情報収集は絶対に必要なのです。

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▼「株で2億円」を確実に稼ぐためのニュースソース
●必要な情報
・『会社四季報』を詳細に読み、勝負銘柄を探す
・有名投資家のHP、ブログ、ツイッターをチェック
・ネット・オフ会や講演、その後の懇親会で情報収集
・IPO株を狙い、証券マンに「返報性の法則」で対応
●いらない情報
・証券会社営業マンのセールストーク
・アフィリエイトがベタベタ貼られたブログは信用しない
・セミナーの初回は参加を見送る。評価が定まってから出席する
・勝手に送り付けてくるメールやDMは無視

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JACK
個人投資家。バーテンダー、予備校講師、サラリーマンと多彩な職歴を歩むかたわら、IPOを中心に2億円の資産を稼ぐ。現在は株を主戦場に不動産投資やFXにも開眼。ブログ・HPの支持者が多い。近著の『0円から2億円を稼いだJACKさんのお金の増やし方入門』をはじめ著書多数。
 

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(個人投資家 JACK 構成=岡村繁雄 写真=Getty Images)