20〜30代の独身女性の彼氏がいない確率が50%を超える今。いつの間にやら少数派になった彼氏持ちの女性の中には、彼氏はいるもののセカンドポジションのまま、いつまでたってもファースト(本命)になれない女性たちがいます。彼女たちが本命になれない原因は何なのでしょうか……。彼女たちの過去の恋愛から、その原因を探っていきます。

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今回お話を伺ったのは、都内のネイルサロンで働いている吉田恭子さん(仮名・32歳)。胸まである黒のワンレンヘアに、深緑のタートルネック、ハイウエストのタイトスカートを履いており、濃いめの化粧からか、派手な印象を受けました。ハキハキと喋る割にキツさはなく、男女共に友人が多そうなタイプに見えます。そんな彼女のセカンド気質はどこにあるのか――。生い立ちや、学生時代の恋愛から話を伺っていきます。

「出身は東京の下町で、両親と5歳上と2歳上に2人の姉がいる5人家族です。家族仲は良いと思います。父親が何でも家族一緒にという考えの人だったので、今でも家族で年末年始は旅行に行っていますから。実は3人とも結婚していないんですよ。姉2人ともまだなので焦らずに済んでいるし、親の結婚への圧迫はすべて姉たちが請け負ってくれている感じです。末っ子は楽をさせてもらっています」

初めて彼氏ができたのはいつですか?

「実は、まだちゃんとしたお付き合いはしたことがないんです……。自分でもかなりヤバめなのはわかっています。でも、世の中の女性に聞きたいですよ。どうやったら彼女として付き合うことができるのか。10代の頃から恋愛マニュアル本を読み漁ったんですが、成果もなく……。

高校時代は仲良くしていた子が全員彼氏がいなかったので、まぁいいかと焦りはなかったです。友達と過ごすほうが楽しいんじゃないかとさえ思っていました。好きな人はいましたよ。2つ上の先輩だったんですが、彼は私が片思いしていた期間はずっと彼女がいましたし、モテ男だったので好きなことはもちろん、私の存在さえ知られてないんじゃないですかね。その彼のことも高校を卒業後にはすぐ忘れられたので、ただの憧れだったんじゃないかなと今は思っています」

専門学校では仲良し男女グループに入ることができたものの……

恭子さんは高校を卒業後に、都内の美容系の専門学校へ進学。そこでも楽しい学生生活は送れたものの、彼氏はできずで……。

「専門学校で男女仲良しグループができて、みんなで学校終わりに遊びに行ったり、休みの日はみんなでキャンプに行ったりと充実はしていました。でもそのグループ内でカップルができだして、どんどん付き合いが悪くなってくるんですよね……。私がまったく知らないところでいい感じになっていて、気づいたら付き合っていた……なんてことばかりでした。私は誰からも見初められることもなく、いい感じになるわけでもなく、ただただ疎外感が広がっていくばかりで……。その愚痴をアルバイト先の8歳上の社員さんに聞いてもらうために、わざわざ早めに出勤して、出勤した度に相談していました」

そして恭子さんはアルバイト先の社員に相談を繰り返す内に、その彼のことが好きになったと言います。

「彼は年齢は28歳だったんですが、年齢よりも大分若く見えるし、スマートな雰囲気は同級生にはない魅力がありました。アルバイト先は和食居酒屋みたいなところで、調理場を任されている彼の包丁捌きとかは本当にカッコ良かったんですよ!そんな人が私の愚痴のために付き合ってくれるんです。最初はまったく意識をしてなかったんですが、もしかして少しくらいは好意があるのかもと考えるようになり、意識するようになりました。

今まで彼のことを知りたいと思ったことがなかったので、彼のことはまったく知らなかったことに気付いて、調査を始めました。そしたら、すぐに別店舗の社員の女性と付き合っていることがわかりました……。また片思いかぁ〜と凹みましたよ……。でもどうしても愚痴を聞いてもらう接点を失いたくなかったので、気持ちを隠して同じように、意識していることがバレないように気をつけていました。彼は相変わらず優しいし、誰にも彼女の話はまったくしませんでした。

後退も進展しない関係が数か月続いていたんですが、私が20歳になった時に飲みに連れてってほしいと、初めてバイト先以外で遊びたいと誘いました。彼はすんなりOKしてくれて、後日遊びに行くことになったんです。私はすごく意気込んで、勝負下着も生まれて初めて買いました。気持ちを伝える気なんてまったくなかったんですが、どこかにそういう関係になることを期待していたと思います。でも、そういう関係になれたとしても、やっぱり1番じゃなかったんですよ……」

彼と初めてバイト先以外で会うことになり、浮かれていた恭子さん。その日に起こった出来事は恭子さんの人生を大きく左右するものでした。

優しい彼は恭子さんの願いを叶えてくれました。でも、その願いはその場だけのもの。彼女にさえなれない辛いセカンドライフは衝撃の終わりが用意されていて……。〜その2〜に続きます。