ケビン・アンダーソンの飛躍を支えた兄弟の姿

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2017年の「全米オープン」の決勝戦では、グランドスラムの上位争いでは最早お馴染みのラファエル・ナダル(スペイン)と、自身初のグランドスラムの決勝に進出したケビン・アンダーソン(南アフリカ)との対決だった。

結果そのものは、ナダルが6-3、6-3、6-4として、ストレートで優勝をさらっていったものの、アンダーソンにとって、「全米オープン」決勝の試合に臨めたこと自体は、飛躍だったと言って差し支えないだろう。昨年は怪我に苦しんだものの、克服して実現した、驚嘆のカムバックだった。

ただ、同選手の躍進をどう読み解けばいいのか?テニスファンならずとも、疑問を抱くかもしれない。が、その背景を読み解くカギはどうやら、「兄弟」にありそうだ。ライフスタイル誌のWAGが報じている。

■「アンダーソン兄弟」が臨んだ全米オープン

ケビン・アンダーソンは現在31歳で、2017年12月11日付けのランキングでは、14位。2メートル3センチの長身から繰り出されるサーブを主な武器としており、自身の最高順位は、2015年10月に記録した10位で、なんとかトップ10に入ったことのあるベテランという趣の選手だ。

そのケビンは、初めての「全米オープン」決勝への進出について、「決勝戦まで行けたのは素晴らしい成果だ」とし、「ナダルはテニス史上最高の選手の1人だが、あの2週間で多くを学んだ。また決勝戦まで行って、自分を試してみたい」と話すなど、さらなる活躍を求めているところだ。

そしてケビンの今年の「全米オープン」での躍進は、弟のグレッグに側面から支援されていたという。グレッグは全米オープンの期間中にケビンの陣営に加わっており、チームの一角を支えた。

WAGでは、グレッグの「ケビンはもっとやれる」とのコメントが紹介されているだけでなく、ケビンも「特別な思い出に満ちた、素晴らしい2週間だった。(グレッグと)一緒に練習できるのはとても嬉しくて、練習するととても安心できるよ」と紹介されている。

その点、「ケビン・アンダーソンは『兄弟』で『全米オープン』を戦った」と言っても、過言ではないだろう。

■共に成長し、それぞれの道を歩むアンダーソン兄弟

ただ、「全米オープン」決勝の舞台に立った、ベテランテニス選手のケビン・アンダーソンが作られても、グレッグあってのことかもしれない。

特に、ケビンの「常に練習相手になる兄弟がいたことは、お互いにとって非常に有益だった」とのWAG誌に明かしたコメントに端的にその重要性が現れているといっていいだろう。

ケビンが言う通り、アンダーソン兄弟は成長の過程で多くの時間を共にすごし、テニスの大会へ出場した際にも同様だという。全国大会に出場し始めると、一緒にアフリカ沿岸を長いドライブ旅行をしながら移動し、隣接するコートで決勝戦を戦うこともあったという。

さらに、2人はそれぞれ別の大学にスカウトされ、拠点をアメリカに移すことになる。その中で、ケビンとグレッグはプロを目指し、目標は夏はトーナメントに出場し、可能ならツアーに挑戦することだった。

結局、ケビンがトーナメントで与えられる賞金を受け取って、大学を辞めてプロに転向した一方で、グレッグは最終的に、現在のアーモンク・インターナショナル・テニス・アカデミーの所長になるなど、テニスを教えるキャリアを選択した。

WAG誌は、グレッグの決断について「彼ほどの成績は残せなかったので、大学を卒業することにした」とのグレッグの会話を紹介し、プロへの道を断念したとした。

結果、グレッグは「全米オープン」では、ケビンの陣営に加わり、選手としてではなく、チームの一員として、グランドスラムに臨んだということだ。

ナダルに勝ちきって、グランドスラムのタイトルをこそ取れなかったものの、グレッグと兄弟でツアーに臨むケビン・アンダーソンが、より大きな結果を残せるか注目していきたいところだ。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「全米オープン」で準優勝のトロフィーを手にしたケビン・アンダーソン(左)
(Photo by Clive Brunskill/Getty Images)