ゆで、焼き、シチューだけじゃない!絶品たん料理尽くしが楽しめる

タン好きを公言するならば、必ずおさえておきたい名酒場がある。たん焼きはもちろん、ゆでたんからタンシチューまで、とにかくタン尽くしを楽しめる!

美味しいタンをお腹いっぱい味わいたい日に行くべき『たん焼 忍』を紹介しよう。



特徴的な看板が灯る店先から既に店内の賑わいを感じ取れる
老舗の風格!重厚な佇まいに期待値が急上昇

昭和53年(1978)創業の老舗『たん焼 忍』は、絶品タンを求めて集まるグルメな大人たちで連日連夜大盛況だ。

駅から徒歩7分ほど歩き、店先で「いらっしゃい」と出迎えてくれるのは、同店を創業当時から守る女将だ。女将の笑顔にほっこり癒され、店内に入ると立派な欅の柱や鍛冶物、白壁、瓦の床で造られた重厚な佇まいに圧倒される。

通されたテーブルを見れば、栂(ツガ)であったり、カウンターは火に強いジマツだったり。何百人という人がここでタンの美味しさに唸ったのだろうと、『たん焼 忍』の歴史にまで思いを馳せてしまいたくなる佇まいである。



テーブルやカウンター席の他、店内奥には座敷席も備える

元は歌舞伎町で洋食を提供するレストランを経営していたオーナーの上杉さん。同時はまだ珍しかったピザをいち早く提供するなど、時代を読む力に長けていた上杉さんが、次に目を付けたのがタンだったのだ。

仕込みには時間がかかるが、提供時は切るだけでいい。それでいてしっかりおいしく食べ応えもあるタンは、大当たり。開店当時から人気店となった。



「ゆでたん」(1人前1,000円)※写真は1人前3枚に1枚プラスしたもの1,340円
一番人気は柔らかすぎる“ゆでたん”

賑わう店内に入って、まず注文すべきは「ゆでタン」、「たんしちゅー」、「焼きたん」という同店イチ押しの3品だ。

まずは一番人気の「ゆでタン」。さぁ食べようと箸で掴んだ瞬間に、その柔らかさに驚愕してしまう。この柔らかさを生んでいるのは、やはり煮込みの工程。まず皮のまま7〜8時間じっくりと丁寧に煮込まれ、その後皮をむく。箸で切れるのは言うまでもないが、口に入れると噛む必要を感じないほど、瞬く間にとろけていく。味付けはシンプルに塩胡椒、わさびのみという潔さも素晴らしい。わさびはたっぷりつけて食べるのがおすすめだ。



「たんしちゅう」(1,130円)※写真は1人前3枚に1枚プラスしたもの1,540円
和風デミグラスとタンが生む濃厚な味わい

続いては「たん しちゅう」。これぞタンシチューだと言わんばかりの、完璧なフォルムで登場。皿に盛られているのに、既にとろけてしまいそうな儚いまでの柔らかさから、すぐさま手を伸ばせば、期待以上の美味しさが口いっぱいに広がっていく。

創業当時から継ぎ足し、継ぎ足しで受け継がれてきた和風デミグラスソースの味わいも、タンの味を決して邪魔することなく、お互いを引き立て合っている。ご飯との相性も抜群なので「ライス」(250円)をオーダーする人も多いとか。


もちろん、たん焼きもうまい!うますぎる!



「たん 焼」(1,130円)
力強いタンの存在感を楽しめる焼も必食

「たん 焼」はタン特有の力強い食感を楽しむのに最適の一品。焼き肉屋で味わうタンとは違い、しっかりとしたタンの存在感を一切れ一切れに感じる事ができる。

こちらも味付けはシンプルに塩胡椒のみ。タンの合間にさっぱりとした自家製の白菜のお新香やお酒をはさんで、リズム良く食べていけば完食はあっという間だろう。



「ブロッコリーのおひたし」(450円)
一品料理をはさみつつタンを無限に楽しみたい!

『タン焼 忍』とはいえど、気の利いた一品料理も多数揃うのも嬉しい。

「肉じゃが」や「冷奴」、「胡瓜にんにく醤油漬け」など、お酒にもご飯にも合うニクイ品が、お酒とタンをどんどん進めてしまう。

今回は「ブロッコリーのおひたし」をセレクト。茹でて鰹出汁に浸したブロッコリーは、優しい味わいで、そのまま食べても充分美味しい。



「焼きおにぎり」(250円)と「たん スープ」(600円)

〆には「焼きおにぎり」に「たんスープ」を合わせてみてはいかがだろう。

丁寧に細心の注意をはらいながら長時間かけてアクを取ってくことで、タンの旨みが凝縮した琥珀色のスープが完成する。白ワインと塩のみで味付けされ、タンとお酒で満たされた胃にも、優しくスーッとしみわたっていく。


開店とほぼ同時に満席となる店内を見渡すと、意外にも若い人が多いことにも気がつく。それは39年という歴史の長さから、子どもの頃に親と来ていた人が大人になって、今度は友人や彼女とともに訪れているからなのだろう。

このようなお客様の無限ループが絶えることがないのも、いつまでも変わらないタンの美味しさがあってこそ。タン好きならば、ぜひ通い詰めて常連の座を獲得したい名店である。